夜型男性は後天性早漏になりやすい

夜更かしを好む男性は、後天性早漏を発症しやすく、早起きの男性よりも症状が重い傾向にあることが最新の研究で明らかになりました。
Chronotype is associated with acquired premature ejaculation: evidence from moderated mediation analysis | The Journal of Sexual Medicine | Oxford Academic
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/23/3/qdag050/8499704

Night owls may face a higher risk of acquired premature ejaculation
https://www.psypost.org/night-owls-may-face-a-higher-risk-of-acquired-premature-ejaculation/
早漏は世界中の男性でみられる最も一般的な性機能障害のひとつです。医師は発症時期に基づき早漏を主に2つのタイプに分類します。ひとつは「生涯性(一次性)早漏」です。これは初めての性的経験を持ったタイミングから存在する、「射精が自分の望むよりも非常に早く起こり、コントロールできない状態が続く」というタイプの早漏です。
これに対して、後天性の射精障害が「後天性早漏」です。この症状は通常、射精までの時間が3分未満になるというもの。この変化は精神的苦痛を引き起こし、生活の質を急速に低下させる可能性があります。
医療専門家は後天性早漏の危険因子をいくつか特定しており、慢性的な骨盤痛・不安・甲状腺疾患などが関与していると知られています。しかし、この症状の正確な生物学的および行動学的根源は、依然として不明な点が多いです。

臨床現場の医師の間では、後天性早漏の患者に共通するパターンとして「就寝時間が遅い」「睡眠スケジュールが不規則である」などが明らかになっていました。また、感情の起伏が激しく、健康的な日常生活を維持することが困難であるという患者が、後天性早漏を患うケースも多い模様。
このパターンをベースに、一部の研究者は概日リズムが射精のコントロールに影響を与えているのではないかと考えるようになりました。
一般的に、概日リズムに基づき人間は朝型・中間型・夜型に分類されます。このうち夜型の人間は、睡眠の質が低い傾向にあり、不安や抑うつ症状が出やすいことでも知られているとのこと。なお、不安や抑うつ症状は性機能障害の既知のリスク要因として知られています。

性医学に関する学術誌のThe Journal of Sexual Medicineに掲載された論文の筆頭著者であるジ・ツァオ氏と中国の安徽医科大学第一附属病院および北京大学第一病院の研究チームは、後天性早漏と概日リズムの関連性を探っています。
研究チームは特定の行動習慣が後天性早漏に与える影響についても検討。具体的には、栄養バランスの取れた食事、定期的な運動、積極的なストレス管理といった健康増進につながる生活習慣に着目しています。これまでの研究では、健康増進習慣は勃起機能の向上や性機能障害全般のリスク低下と関連付けられてきました。
研究には後天性早漏と診断された男性患者516人と、健康な対照被験者として495人が参加しました。被験者には射精コントロール能力・勃起機能の基礎レベル・概日リズムなどに関するアンケートに回答してもらいました。また、健康増進のためにどのような生活習慣を行っているかについても調査しています。
さらに、後天性早漏と診断された男性は、この症状に対する認識を測定するための追加アンケートにも回答しています。研究チームは「病気に対する認識が高いということは、患者が症状に対して深い負担や絶望感を抱いていることを意味し、認識が低いということは、病状を管理可能なものと捉えていることを示唆する」と説明しました。

調査の結果、後天性早漏の患者は健康な対照群と比較して、朝型傾向と生活習慣のスコアが全体的に低いことが明らかになりました。つまり、夜更かしを好む傾向が強いほど、射精コントロールが悪化するという傾向が見られたわけです。
概日リズムはセロトニンやドーパミンといった重要な神経伝達物質の産生を含む、数多くの生理学的プロセスを調節しています。動物実験では、セロトニン濃度が概日リズムで変動することが示されており、中枢神経系のセロトニンは膣内射精潜時と密接に関連していることも明らかになっています。そのため、夜型人間によく見られる概日リズムの乱れが、生物学的なレベルで射精に影響を及ぼしている可能性は十分に高いといえます。
これに加えて、夜型人間は健康増進行動を取る頻度が低い傾向にあることも明らかになりました。こうした健康的習慣の減少は、後天性早漏症状の悪化とも相関しています。
また、性的な健康に関して強い脅威とコントロール感の欠如を感じている男性は、朝型人間であることとより良い生活習慣を持つこととの間の正の相関関係が弱まりました。つまり、後天性早漏に高い不安感や警戒心を抱く人は、健康的な生活を送っても、そこから得られる効果が薄いというわけです。
ただし、この研究は夜型人間であることが後天性早漏の直接的な原因であると断言するものではありません。また、研究の被験者は単一の病院から集められたものであり、人口統計学的サンプルとしては非常に限られたものであることを考慮する必要があります。
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in サイエンス, Posted by logu_ii
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