サイエンス

早起きする人はうつ病のリスクが低く幸福度も高いことが明らかに


人間は早起きが得意な「朝型」と夜更かししがちな「夜型」といったタイプが存在します。人間が持っている固有の体内時計は時計遺伝子によってリズムが整えられているため、就寝のリズムを自分の意志で整えるのはなかなか難しいのですが、エクセター大学のジェシカ・オローリン氏らの研究により、「朝型の人はうつ病のリスクが低く、より幸福である」ということが分かりました。

Scientists discover one sleep habit is most likely to result in happiness
https://www.inverse.com/mind-body/being-a-morning-person-actually-keeps-you-happier

Waking just one hour earlier cuts depression risk by double digits, study finds -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2021/05/210528114107.htm

過去に行われたさまざまな研究から、時計遺伝子に含まれるさまざまな遺伝子変異体が朝型・夜型といったクロノタイプに影響を与えることが知られています。そこで、オローリン氏らはアンケートに答えた約23万人分のデータを含む、約45万人分の遺伝子データを調査し、うつ病と就寝時間、遺伝子の関連性を探りました。

アンケートでは「自分は朝型か夜型か」「抑うつ症状を経験したことがあるか」「自分の人生をどの程度意義のあるものだと感じているか」といった内容が問われていました。オローリン氏らの分析の結果、調査した遺伝子データの内62.6%が朝型であると分類され、この結果はアンケートによって得られたクロノタイプの分類結果と類似していたとのこと。


また、遺伝的に朝型に分類される人や「早起きを好む」と答えた人は、夜型の人と比べてうつ病を発症するリスクが低く、幸福度も高いということが判明。そのほかにも、仕事などで就寝のリズムが大きくずれた場合、不安や抑うつ、幸福感の悪化と強く関連しているということも分かりました。

オローリン氏は「朝型の人はうつ病がより抑制され、健康状態が良好だということが分かりました。さらなる研究によりうつ病と遺伝子、概日リズムの乱れの関係性が確立された場合、将来的に勤務日に柔軟性が導入され、夜間勤務の人々のメンタルヘルスが改善される可能性もあり得ます」と述べています。

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in サイエンス, Posted by log1p_kr

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