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iPhoneやApple Watchで運転免許証や身分証明書が提示できるようになる地域が発表される


AppleはApple Payを介してクレジットカードやイベント入場券などをiPhone・Apple Watchで利用可能にするアプリ「Apple Wallet(ウォレット)」に、運転免許証や身分証明書を追加する計画を2021年6月に明かしていました。そして2021年9月1日付けで、実際にデジタル運転免許証等が利用可能になる地域が発表されました。

Apple announces first states to adopt driver’s licenses and state IDs in Wallet - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2021/09/apple-announces-first-states-to-adopt-drivers-licenses-and-state-ids-in-wallet/

ウォレットで運転免許証や身分証明書(州ID)を最初に扱えるようになる地域は、アメリカのアリゾナ州、コネチカット州、ジョージア州、アイオワ州、ケンタッキー州、メリーランド州、オクラホマ州、ユタ州。最初に利用可能になる場所は、この8州のうち運輸保安庁(TSA)の管轄である、空港のセキュリティチェックポイントやレーンになる見込みです。


運転免許証や州IDをウォレットに追加するには、まずiPhoneでウォレットを起動し、画面上部の「+」をタップしてIDの追加を選択。このときユーザーがApple WatchをiPhoneとペアリングしている場合は、Apple WatchのウォレットアプリにもIDを追加することを求められるとのこと。その後、iPhoneで運転免許証または州IDをスキャンし、自分の顔写真を撮影。セキュリティプロセスのため、頭や顔を動かすことを求められるので、これらプロセスに従います。発行国による本人確認が終了すると、運転免許証や州IDがウォレットに追加されます。


ウォレットで運転免許証や州IDを管理すると、ユーザーはTSA管轄の施設でIDの提示を求められた際に、IDリーダーの近くでiPhoneやApple WatchをタップするだけでOKになります。また、TSAの要求に応じて特定の情報を表示させることも可能です。なお、これらの機能はFace IDあるいはTouch IDで認証を行った後に利用可能ですが、身分証明書の提示に際して端末のロックを解除する必要はありません。これによって「本人だけが情報を提示可能」かつ「必要な情報以外が他者に提示される可能性がない」という2点を両立させています。

以下の画像からは、まず「提示される情報が何か」が表示され、サイドボタンを押すことで実際に情報が表示されることがわかります。


なお、Appleは「セキュリティとプライバシー」という項目において、以下のように説明しています。

・AppleとIDの発行国はユーザーがいつ・どこでIDを提示したのかを知ることができない。
・ウォレットでのID管理に関してはiPhoneとApple Watchに組み込まれているプラ​​イバシーとセキュリティの機能が活用されており、ユーザーのデータは暗号化され、改ざんや盗難から保護される。
・IDの情報はデバイスとIDリーダーの間で暗号化通信を介してやりとりされるため、ユーザーは端末を手渡したり、ロックを解除したりする必要がない。
・iPhoneまたはApple Watchを落した場合などはFind Myアプリを利用してデバイスをロックしたり、位置を特定したり、情報をリモートで削除したりできる。
・IDの実装はISO/IEC 18013-5標準に基づいている。この標準の開発にはAppleが携わっており、モバイルデバイスを使ってID提示を行う際の明確な業界ガイドラインになっている。

なお、ウォレットを使った運転免許証や州IDの提示がいつから可能になるのかは、後日、各州とTSAから発表されるとのことです。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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