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Amazonが社内ミーティングの効率を爆上げするために採用しているルールとは?


時間をかけて準備したミーティングがたいして成果を生まなかったという経験を多くの人がしていますが、「どうすれば成果を得られるミーティングを開催できるのか?」というのは難問です。そんな難問の解決に役立ちそうな「Amazonの社内ミーティングで採用されているドキュメント共有ルールとメリット」について、Amazon Web Services(AWS)のシニアデベロッパーを務めるジャスティン・ギャリソン氏が解説しています。

The Document Culture of Amazon
https://www.justingarrison.com/blog/2021-03-15-the-document-culture-of-amazon/

ギャリソン氏によると、Amazonの社内ミーティングでは必ず議題に関するドキュメントが配布されるとのこと。このドキュメントの内容や長さはミーティングの目的によって異なり、ドキュメントを作成するための専用ツールも用意されています。また、Amazonでは社内ミーティングの開催にはドキュメントの提出が必須とされており、ドキュメントが提出されない場合はミーティングの予定が取り消される場合もあるそうです。

ギャリソン氏はAmazonのドキュメント文化において重要なことは、ドキュメントの内容ではなく「ミーティングの冒頭にドキュメントを読む時間が10~30分与えられる」ことだと主張しています。このルールによって、ミーティングの参加者は議題に関する曖昧な点を解消した状態で話し合いに臨めるとのこと。ミーティングの時間はドキュメントを読む時間も加味して確保されているため、「ドキュメントを読んでいたせいで時間が足りなくなった」という事態は発生しないとギャリソン氏は述べています。


ギャリソン氏がAmazonで働く前に所属していた企業では、ドキュメントを作成する文化はあったものの、ミーティングの中にドキュメントを読む時間が設けられておらず、「誰もドキュメントを読んでおらず、ミーティングで全てを説明する必要がある」「ドキュメントを読んでいる人も、ミーティングの数日・数時間前に読んでいるため、ミーティングの際には内容を忘れている」「ドキュメントを読めば分かる内容について質問を受ける」といった問題点が発生していました。これに対して、ドキュメントを読む時間を設けているAmazonでは、これらの問題が発生しないとのこと。

また、ドキュメントを読む時間がミーティング内に組み込まれていることで「プレゼンターがドキュメントの内容を読み上げる必要がないため、吃音(きつおん)や難聴などの声に関するハンディキャップを少なくできる」「ミーティングの参加者がドキュメントを読む時間を各自確保する必要がない」「もしミーティングに10~20分遅れて参加することになっても、ドキュメントを事前に読んでおけば問題ない」といったメリットを得られたとのこと。また、自宅からリモートでミーティングに参加しているギャリソン氏は「ドキュメントを読む10〜20分間は、運動をするのに最適な時間です」と述べ、ドキュメントを読みながら簡単な運動を行っていることを明かしています。

Reading docs at the beginning of meetings is a great way to squeeze in some exercise!

I'm trying to make this a new habit. Even a 10 minute climb is enough to get my heart rate up.

Pay no attention to the cables ???? pic.twitter.com/zyCbUczZAA

— Justin Garrison (@rothgar)


上記のメリットに加えて、ドキュメントを基盤としてミーティングを実施することで、Amazonのようなチームメンバーが時差の異なる地域に散らばっているような組織でも、問題なく情報を共有した状態でミーティングを展開することが可能というメリットもあります。ギャリソン氏は「会議の中で出た意見や質問が文書に記録されていない場合、リモートワークの可能性を制限してしまうという欠点があります」とも語っていますが、上記のようなメリットから「ドキュメントを基盤としたミーティングは、リモートワークへの移行にも最適です」と主張しています。


ドキュメントを基盤としたミーティングを行うと、膨大な量のドキュメントが作成されます。ギャリソン氏はドキュメント整理・検索ツール「Command E」を用いて膨大なドキュメントを扱える環境を整えているとのこと。しかし、ギャリソン氏は「現在、私は53個のSlackワークスペースに参加しています。このようなドキュメント検索環境を整えにくい場では、ミーティングの度に作成される膨大なドキュメントを管理することが難しくなります」述べ、Amazonのドキュメント文化が、どのような組織にでも当てはめられるわけではないことを指摘しています。

ギャリソン氏は上記のような欠点を指摘した上で「私は、Amazonのドキュメント文化の有用性を確信しています」と述べ、今後もミーティングの効率を上げるべくドキュメントの作成方法を最適化していくと語っています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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