Googleのクラウド事業が4000億円超の収益を記録、前年比46%増の勝因とは?
2021年4月27日、Googleの親会社であるAlphabetが2021年第1四半期(1月~3月)の決算を発表しました。Alphabet全体の収益は前年比34%増の553億ドル(約6兆200億円)、純利益は前年比2.6倍の179億ドル(約1兆9500億円)に達しています。
GOOG Exhibit 99.1 Q1 2021 - 2021Q1_alphabet_earnings_release.pdf
(PDFファイル)https://abc.xyz/investor/static/pdf/2021Q1_alphabet_earnings_release.pdf
Google Cloud brings in $4B in Q1, up 46 percent | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/google-cloud-brings-in-4b-in-q1-up-46-percent/
YouTube Q1 2021 Ad Revenue Soars 49% to $6B, Alphabet Beats Street - Variety
https://variety.com/2021/digital/news/youtube-revenue-q1-2021-alphabet-beats-1234961669/
Alphabet (GOOGL) earnings Q1 2021
https://www.cnbc.com/2021/04/27/alphabet-goog-earnings-q1-2021.html
Google banks big in Alphabet’s post-pandemic-peak Q1 2021 earnings - The Verge
https://www.theverge.com/22404046/google-alphabet-q1-2021-earnings
2021年の第1四半期決算で、Alphabetは前年同期比を34%上回る553億ドルの収益を獲得し、純利益も前年比2.6倍となる179億ドルに達したことを報告しました。また、1株当たりの純利益を表す一株当たり当期純利益は26.29ドル(約2900円)となっており、いずれも金融情報企業のリフィニティブが集計したウォール街のアナリストによる予測を上回っています。
Googleのクラウド事業における成長も著しく、2021年第1四半期の収益は40億4700万ドル(約4400億円)であり、前年同期比の27億8000万ドル(約3030億円)から46%増加しています。その一方で、Googleクラウドは依然として損失の方が大きいようで、第1四半期の営業損失は9億7400万ドル(約1060億円)となっています。しかし、前年同期の営業損失は17億3000万ドル(約1880億円)であり、損失額は大幅に鈍化しているとのこと。
Googleと親会社のアルファベットで最高財務責任者(CFO)を務めるルース・ポラット氏は、「Googleクラウドの継続的な勢いに満足しています。当四半期の収益は40億ドルであり、Google Cloud Platform(GCP)とGoogle Workspaceの両方における強さと機会を反映しています」とコメント。
大幅な収益増加にもかかわらず依然としてクラウド事業で損失が出ているのは、Googleがクラウドの拡張に投資を続けているためです。ポラット氏は4月27日の電話会議において、「長期的なパフォーマンスのため、クラウド組織を構築するために投資を続けています」「ビジネスを構築するための私たちのアプローチは変わっていません。私たちは引き続き収益の成長に注力しており、機会があれば製品や市場参入組織に積極的に投資し続けます」と述べました。
Alphabetにおける収益の柱となっているのは引き続き広告収入であり、第1四半期におけるGoogle検索およびその他の広告収入は、YouTubeを除いたもので318.8億ドル(約3兆4700億円)。YouTubeの広告収益は60億ドル(約6500億円)に達しており、前年同期比の40.4億ドル(約4400億円)から49%も増加しました。なお、YouTubeの広告収入には、YouTube PremiumやYouTube TVといったサブスクリプションサービスの料金は含まれていません。
Alphabetによると、YouTubeは月間20億人以上のログインユーザーを誇っており、1日当たりの総動画視聴時間は10億時間を超えるとのこと。GoogleとAlphabetのCEOを務めるサンダー・ピチャイ氏は決算についての電話会議で、TikTokに似たショート動画サービスのYouTube ショートが2020年の終わりから劇的に成長していることを指摘しました。
また、自動運転車を開発するWaymoやライフサイエンス部門であるVerily、ブロードバンドインターネットを構築するGoogle Fiberといった実験的な部門で構成される「Other Bets(その他の賭け)」の損失額は11億5000万ドル(約1250億円)であり、収益の1億9800万ドル(約215億円)を大幅に上回っています。
ピチャイ氏は決算発表声明の中で、「昨年、人々は情報を得たり誰かとつながったり楽しんだりするために、Google検索や多くのオンラインサービスを使用しました。Googleは世界中の人々を支援するために、信頼できるサービスを提供することに引き続き注力してきました。Googleのクラウドサービスは、規模の大小を問わず企業のデジタル変革の加速を支援しています」と述べました。
なお、Alphabetは4月23日に取締役会が最大500億ドル(約5兆4400億円)の株式買い戻しを承認したことも発表しています。
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