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YouTubeの広告収益は約1兆円で成長鈍化&Google検索関連は収益増、Google親会社・Alphabetの2022年第2四半期決算発表

by Sikander Iqbal

Googleの親会社であるAlphabetが2022年第2四半期(4月~6月)の決算報告を発表しました。総売上高は698億8500万ドル(約9兆5700億円)で、前年同期比で13%増となりました。また、Google検索やGoogle広告、YouTube広告で得た収益も前年同期比で増加しましたが、YouTubeの広告収益の前年同期比が投資家の予想を下回ったことから、成長が鈍化したのではないかと指摘されています。

GOOG Exhibit 99.1 Q2 2022 - 2022Q2_alphabet_earnings_release.pdf
(PDFファイル)https://abc.xyz/investor/static/pdf/2022Q2_alphabet_earnings_release.pdf

Alphabet Q2 Earnings: YouTube Ad Revenue Up 4.8% to $7.34 Billion - Variety
https://variety.com/2022/digital/news/youtube-q2-2022-earnings-alphabet-1235326214/

Alphabetによると、2022年第2四半期の総売上高は698億8500万ドル、営業利益が194億5300万ドル(約2兆6600億円)、当期純利益が160億200万ドル(約2兆1900億円)でした。総売上高は前年同期比で13%増(前年為替レート適用で16%増)、営業利益は前年同期比で31%増となりましたが、当期純利益は前年同期比で約14%減となりました。また、2022年第2四半期の希薄化後EPSは1株当たり1.21ドル(約166円)でした。


総売上高698億8500万ドルの内訳は以下の通り。「Google広告(Google Advertising)」を構成する「Google検索関連(Google Search&other)」が406億8900万ドル(約5兆5700億円)、「YouTube広告(YouTube ads)」が73億4000万ドル(約1兆円)、「Googleのネットワーク関連(Google Network」が82億5900万ドル(約1兆1300億円)。「Googleのその他(Google other)」の売上高が65億5300万ドル(約8980億円)、Google Cloud関連が62億7600万ドル(約8600億円)、そしてWaymoVerilyといったAlphabetが投資するベンチャー企業および未公開企業をまとめた「Other Bets」は1億9300万ドル(約265億円)、投資によるヘッジ利益(Hedging gains)は3億7500万ドル(約514億円)でした。従業員数(Number of employees)は17万4014人で、前年同期から約3万人増加しています。


営業利益194億5300万ドルの内訳は、Google広告・Google検索関連・YouTube広告・Googleのネットワーク関連・Googleのその他事業を合わせた「Google Services」が227億7000万ドル(約3兆1200億円)で唯一の黒字。Google Cloudは8億5800万ドル(約1176億円)の赤字、Other Betsは16億8600万ドル(約2310億円)の赤字、非配分本社費用(Corporate costs, unallocated)が7億7300万ドル(約1060億円)の赤字となっています。Google Cloudは収益が前年同期比で約36%増となっていますが、営業利益は前年同様に赤字で、さらにその赤字分も増加していることから、Google Cloud関連での経費増加が見て取れます。


Googleの収益の中心となっているのはやはりGoogle広告です。その中でも最も大きいのがGoogle検索関連で、Alphabetの最高財務責任者であるルス・ポラット氏は「今期の決算報告には検索の強さとクラウドの勢いが示されている」と述べています。また、Googleの最高業務責任者であるフィリップ・シンドラー氏は「旅行や小売の問い合わせの増加が、Googleの検索関連の収益増加につながった」と説明しました。

YouTubeの広告収益は前年同期比で4.8%増となりましたが、エンターテイメント系ニュースメディアのVarietyは「ウォール街はYouTube広告の収益が前年同期比7%増の74憶9000万ドル(1兆270億円)になると予想していた」と述べ、この予想よりも収益が落ちたことから、成長が鈍化していると指摘しました。


Varietyは、YouTubeの広告収益がわずかに落ち込んだ理由の1つとして、TikTokのようにわずか数十秒のショートムービーを共有するYouTube Shortsが人気になっていることが影響していると推測しています。Googleによると、2022年6月時点でYouTube Shortsの月間ログインユーザーが15億人以上で、これはYouTubeの全世界における月間ログインユーザーのおよそ4分の3に相当するそうです。これを受けて、YouTubeはYouTube Shortsに広告を導入することを発表しています。

YouTubeが1日に300億回も見られている「ショート動画」に広告導入 - GIGAZINE


ポラット氏は、YouTubeの広告収益が鈍化しているように見えるのは2021年第2四半期の異常に高かった成長率と比較しているからだと説明しています。実際、2020年~2021年は新型コロナウイルスの世界的流行に伴う巣ごもり需要によって、YouTubeをはじめとするネットサービスの利用者数が急増し、収益が予想を大きく上回ったという背景があります。

ただし、この「YouTubeの広告収益」には、YouTube PremiumやYouTube TVからのサブスクリプション収益が含まれていないとのこと。そのため、YouTubeそのものの収益は73億4000万ドルよりももっと高いと考えられます。

また、Alphabetの最高経営責任者(CEO)でもあるサンダー・ピチャイCEOは2022年7月上旬に「2022年後半は採用のペースを下げる」と述べ、エンジニアリングや技術職を除く採用をほぼ一時停止すると従業員に解説したことが報じられています。ピチャイCEOは「今後は緊急性を持ち、より集中し、ハングリー精神を持って仕事に取り組む必要があります。場合によっては投資が重複する部分を統合し、プロセスを合理化することを意味します。また、開発を一時中断し、より優先順位の高い分野にリソースを再投入することも意味します。会社をより効率的にするのは私たち全員にかかっています」と述べ、社内事業と人事の再編の可能性を示唆しました。

なお、Alphabetの2022年第2四半期決算報告はYouTubeでも公開されています。

Alphabet 2022 Q2 Earnings Call - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kBgHioOKpvI

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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