生き物

「牛は乳から黄金を出す」「牛糞で放射線を防ぐ」などのトンデモ学説をインド政府が公的な試験に盛り込み批判殺到


インド政府が、インド国内の大学で学ぶ学生に対して「牛に関する科学的なテスト」の受験を奨励したところ、テスト内容が非科学的であるというツッコミが殺到し、テストの実施が延期されています。

Govt body defers test on ‘cow science’ after furore | India News - Times of India
https://timesofindia.indiatimes.com/india/govt-body-defers-test-on-cow-science-after-furore/articleshow/81143992.cms

No info on cow science exam, say VCs - The Hindu
https://www.thehindu.com/news/national/kerala/no-info-on-cow-science-exam-say-vcs/article33861847.ece

政府が受験を奨励した「牛に関する科学的なテスト」は、牛の保護や生産性の向上を目的とした政府機関「Rashtriya Kamdhenu Aayog(RKA)」が発案したテストです。RKAによると、テストは「インド原産の牛に関する経済・科学・環境・健康・農業・精神に関する情報」を学生に啓蒙するために行われるとのこと。

RKAは「テストの内容は科学的根拠に基づいている」と主張しています。しかし、RKAが「インド原産の牛は、背中のコブから太陽のエネルギーを吸収する特別な力を持っている」「牛の食肉処理と地震の発生には関連性がある」「ジャージー牛は怠惰な牛であり、質の悪い牛乳を出すが、インド原産の牛は微量の金を含む黄色い牛乳を出す」「牛ふんには放射線を防ぐ効果がある」といった科学的根拠のない説を事実として扱っていることから、「牛に関する科学的なテスト」も非科学的なものになる可能性が指摘されています。


RKAのVallabhai Kathiria会長は「私たちの主張に非科学的な言説は含まれていません。私たちはインド原産の牛の重要性を広めるために試験を行います」と語っています。しかし、シャダフプール大学のパルサ・ロイ教授は「インド政府は研究のために十分な資金を投入していません。政府は、学生に特定のイデオロギーを注入するために資金を投じています」と語り、RKAが行うテストに対して疑問を呈しています。


「牛に関する科学的なテスト」は2021年2月25日にヒンディー語や英語など13の言語で行われる予定でした。RKAは「50万人を超える学生の申し込みを受け付けました」と発表していますが、記事作成時点では、「事務的な理由」によりテストの実施を延期しています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1o_hf

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