セキュリティ

Windows 11の全履歴をAIで遡る「Recall」機能からデータを抽出できるツールをセキュリティ研究者が公開、「金庫は頑丈だが配送トラックは違う」


MicrosoftのWindows 11向けAI機能「Recall」を巡り、セキュリティ研究者のアレックス・ハーゲナ氏が、ユーザーの認証後にRecallの保存データを取得できるツール「TotalRecall Reloaded」を公開しました。Recallは2024年の大きな批判を受けて設計が見直され、Windows Hello認証や仮想化ベースの保護を備える仕組みに改められていましたが、今回の研究はその保護の外側にある処理経路が新たな懸念になり得ることを示したものです。

xaitax/TotalRecall: This tool extracts and displays data from the Recall feature in Windows 11, providing an easy way to access information about your PC's activity snapshots.
https://github.com/xaitax/TotalRecall

Microsoft faces fresh Windows Recall security concerns | The Verge
https://www.theverge.com/report/912101/microsoft-windows-recall-new-security-concerns-response

"TotalRecall Reloaded" tool finds a side entrance to Windows 11's Recall database - Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2026/04/totalrecall-reloaded-tool-finds-a-side-entrance-to-windows-11s-recall-database/

Recallは、PC上で見た画面を継続的にスナップショットとして記録し、過去の作業内容を後から検索しやすくするCopilot+ PC向け機能です。

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しかしその初期実装では、スクリーンショットや利用履歴を含む巨大なデータベースが暗号化されないまま保存されているとして強い批判を受けました。

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その後Microsoftは配信を約1年延期し、ローカル保存データの暗号化やWindows Helloによる閲覧制限、機密情報の除外強化、既定で無効化する設定変更などを実施していました。

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今回公開された「TotalRecall Reloaded」は、2024年にハーゲナ氏が発表した「TotalRecall」の後継となるツールです。

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ハーゲナ氏はRecallのデータベースそのものは「金庫のように堅牢」だとしつつ、認証後にデータを受け渡す別プロセス「AIXHost.exe」が弱点になっていると説明しています。

ツールは管理者権限なしでAIXHost.exeにDLLを注入し、ユーザーがRecallを開いてWindows Helloで認証するのを待った後、Recallから渡されるスクリーンショット、OCRで抽出されたテキスト、そのほかのメタデータを横取りできる仕組みとのことで、ハーゲナ氏はこれを「金庫は頑丈だが配送トラックは違う」と表現しています。


IT系メディアのArs Technicaによると、ユーザーが認証した後であれば新たに記録される内容だけでなく、Recallが過去に記録していたデータにもアクセスできるとのこと。さらに、Windows Hello認証がなくても、直近のRecallスクリーンショットの取得や一部メタデータの収集、Recallデータベース全体の削除といった操作が可能だとされており、Recallが画面上の文章、メッセージ、電子メール、文書、閲覧履歴など幅広い情報を保持する点も懸念材料として挙げられています。

Microsoftはハーゲナ氏から3月6日に報告を受けた後、4月3日にこの問題を「脆弱(ぜいじゃく)性ではない」と分類し、意図した保護と既存の制御の範囲内にあるとの見解を示しました。Microsoftは「認証後の利用可能時間にはタイムアウトや連続試行防止策がある」と説明していますが、Recall自体が大量の個人データを蓄積する以上、PC本体とWindows Helloの代替PINにアクセスできる相手には依然として大きな情報流出リスクがあります。


なお、SignalやBrave、AdGuardなど一部アプリはRecallに自分たちの画面を記録させない回避策をすでに導入しています。

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in AI,   ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by log1i_yk

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