Twitterが「トランプ氏BANは正解だった」と発表、2020年第4四半期の決算報告で

Twitterが2021年2月9日に、2020年第4四半期(10～12月)の業績を発表しました。この決算報告の中でTwitterは、同社が2020年のアメリカ大統領選挙期間中に実施した取り組みや、トランプ大統領のTwitterアカウントを凍結したことには「一定の価値があった」との見方を示しました。

FINAL-Q4'20-TWTR-Shareholder-Letter.pdf
(PDFファイル)https://s22.q4cdn.com/826641620/files/doc_financials/2020/q4/FINAL-Q4%2720-TWTR-Shareholder-Letter.pdf

Twitter (TWTR) Q4 2020 earnings
https://www.cnbc.com/2021/02/09/twitter-twtr-q4-2020-earnings.html

Twitter Adds Users Through Trump Ban - WSJ
https://www.wsj.com/articles/twitter-adds-users-through-trump-ban-11612906287

以下は、Twitterの売上高を2019年第4四半期(左)と2020年第4四半期(右)とで比較したグラフです。Twitterの2020年第4四半期の売上高は、前年同期比28％増の約12億9000万ドル(約1349億円)を記録し過去最高となりました。アメリカのニュースメディア・CNBCによると、この記録は金融情報調査会社・Refinitivの予想である11億9000万ドル(約1245億円)を上回っているとのこと。

また、広告事業などで収益に結び付くユーザーの数も増加しましたが、市場が予想した伸び率には届きませんでした。以下は、収益化可能な平均DAU(mDAU)の増加率の推移を表した図です。2020年第4四半期のmDAUは前四半期比500万人増、前年比27％増の合計1億9200万人となり、市場調査会社・StreetAccountが予想した「1億9350万人」を下回りました。

TwitterはこのmDAUの動きについて、「大統領選挙に至るまでの数カ月の間、慎重な討論を促し、誤解を招く情報の拡散を抑えるため、ポリシーを変更しサービスに改良を加えました。全体として、一部の変更は効果が低く、第4四半期のグローバルmDAUに予測可能で小規模な悪影響を与えました。これは予想の範囲内であるため、選挙期間中に実施した会話の完全性を保護するための取り組みは価値があったと言えます」と述べました。

Twitterは、トランプ氏が大統領就任中に投稿したツイートに繰り返し「誤解を招く可能性がある」とのラベル付けを行っていたほか、大統領選挙での「早すぎる勝利宣言」にも警告ラベルをつけていました。

TwitterとFacebookがトランプ大統領の「早すぎる勝利宣言」などに警告ラベルを追加 - GIGAZINE

Twitterが実施した一連の取り組みの中で、特に大きな注目を集めたのが2021年1月8日にトランプ氏のアカウントを永久に凍結したことです。2021年1月は今回発表された決算報告の期間外ですが、Twitterは将来的な業績の見通しの一環として2021年1月の動向に言及し、「今四半期の異常な状況を踏まえても、2021年1月末までの平均絶対mDAUの伸びは過去4年間の平均を上回っており、2021年第4四半期には約20％の成長が見込まれます」と述べました。

このTwitterの発表について、CNBCは「Twitterによる2021年1月末の記録発表は、同社が1月8日にトランプ氏のアカウントを永久凍結したことへの言及だとみられます」と指摘し、Twitterがトランプ氏の永久BANを成功と見なしているとの見方を示しました。

Twitterのジャック・ドーシーCEOも、2021年1月に「トランプ氏を永久BANしたのは正しかった」とのコメントを発表しています。

Twitterのジャック・ドーシーCEOが「トランプ大統領を永久BANしたのは正しかった」とコメント - GIGAZINE

また、Twitterの最高財務責任者(CFO)であるNed Segal氏も、アメリカの日刊経済紙であるウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに対し、「我が社の決定は、広告主からもおおむね好評でした」と述べました。

なお、Twitterの2020年末時点での従業員数は、前年より14％多い5500人でしたが、今後はさらにエンジニアリングなどの分野で従業員を20％増強し、研究開発に一段と力を入れていく考えだとのことです。