AppleはiPadの生産拠点を2021年半ばに中国からベトナムに移転する
Appleは、デバイスの生産拠点を中国以外の国へ移転する取り組みを続けており、2019年7月にはインドで生産されたiPhoneの輸出を開始し、2020年には「AirPods Pro」の生産拠点の一部をベトナムに移転したことが明らかになっています。そんなAppleが、2021年中にベトナムで「iPad」の生産を開始することが報じられています。
Apple ramps up iPhone and iPad output shift to India and Vietnam - Nikkei Asia
https://asia.nikkei.com/Economy/Trade-war/Apple-ramps-up-iPhone-and-iPad-output-shift-to-India-and-Vietnam
これまで、Appleを含む大手テクノロジー企業は、デバイスの生産拠点を中国に設置していました。しかし、米中の貿易摩擦によって中国からアメリカへ輸入する製品に多額の関税がかかるようになったことや、中国の人件費が上昇していること、新型コロナウイルスの感染拡大といった要因が重なったことで、デバイスの生産を1つの国に依存しすぎることのリスクが浮き彫りとなり、中国以外の国への生産拠点の移転がテクノロジー業界のトレンドとなりました。今回のAppleによるベトナムへの生産拠点の移転は、このトレンドに則ったものであるとNikkei Asiaは述べています。
また、Appleが開発するiPad以外のデバイスの生産拠点の移転も進んでおり、2019年7月にはベトナムで「AirPods」の生産が始まっており、2020年には世界中に出荷されたAirPodsの30%がベトナムで生産されました。他にもベトナムでは、「AirPodsPro」「AirPods Max」「HomePod mini」の生産が2020年より始まっています。
AppleがAirPods Proの生産拠点の一部を中国からベトナムへ移転していることが明らかに - GIGAZINE
AppleはiPadだけでなく、「MacBook」の生産拠点もベトナムに移転することが報じられていますが、Nikkei Asiaは「情報筋は、MacBookの生産拠点の移転も2021年中に行われると語りました」と述べています。さらに、Nikkei Asiaによると、「Mac mini」の生産拠点の一部をマレーシアに移転する計画もあるとのこと。
AppleがiPadとMacBookの生産拠点を中国からベトナムに移転か - GIGAZINE
なお、2019年にはインドで生産されたiPhoneの輸出が始まっています。しかし、インドのiPhone生産工場では、労働環境の悪さから従業員による暴動が起きています。
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