Appleのワイヤレスイヤホン「AirPods」が届いたので本当に落ちたりしないのか、使い勝手など実際に試してみた


2016年12月14日、クリスマスを控えた時期に突如発売され、あっという間に在庫切れとなってしまった独立型の完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」が、すかさずポチっていたGIGAZINE編集部にも到着しました。外観はほぼ従来の有線イヤホン「EarPods」と同一ながら、小さい本体に専用のチップやバッテリーなどを内蔵するという最新型のワイヤレスイヤホンがいったいどんな使いごこちなのか、そして本当に落ちてしまわないのかなどを実機で試してみることにしました。

AirPods - Apple(日本)
http://www.apple.com/jp/airpods/

これが編集部に届いたAirPodsの箱。デザインはこれまでのAppleのデザインをそのまま踏襲するものとなっています。


背面はこんな感じ。ケースに入ったAirPodsと、ケースごと充電できるケーブルのイラストが描かれています。


箱を開けると、クイックガイドや法令関連の文書と、ケースに収められたAirPodsが入っており……


さらに、ケースの下には充電用のlightningケーブルが入っていました。


イヤホンを収めるだけで充電できる専用ケースは真っ白で、正面にはフタを開けるための溝が切られているだけという非常にシンプルなデザイン。


裏面を見てみると、フタ開閉用のヒンジがシルバーに光っているほか、底面には充電用のlightning端子が配置されています。


フタを開けるとAirPodsとご対面。


大きさは、iPhone付属のEarPodsとほぼ同じですが、下に伸びるバーの部分が明らかに長くなっています。


EarPods(右)と比べるとこんな感じ。音響調整用とみられるスリットしかないEarPodsに比べ、AirPods(左)はスリットが拡大されているほか、耳への装着を感知するセンサー、ノイズを相殺するビームフォーミングマイクロフォンなどが追加されています。


この角度から見ると、AirPodsはEarPodsよりもややずんぐりと大きくなっていることがわかるはず。それにしてもこの小さな本体の中にW1プロセッサやバッテリー、アンテナ類を内蔵しているというのは実に驚き。


AirPodsでは耳に接する部分にもセンサーが追加されており、「R」と「L」の文字はバー部分の下の方に移動していることがわかります。


バーの先端には小型のマイクが内蔵され、その周囲は銀色の電極が取り付けられています。電極は2つに分割されており、ケースに入れた時に端子が接触して通電・充電するようになっています。


ケースの穴の底には、このように金色の端子が飛び出しています。


網の向こうには2つの穴が見えており、これは従来のEarPodsと同じ形状。ただし、網の色がやや薄くなっているようです。


実際に耳に装着するとこんな感じ。先端が顔前方を向いているのは写真の写り方のせいではなく、実際の様子。有線タイプのEarPodsは真下に垂れ下がるぐらいの角度ですが、AirPodsは音声をうまくキャッチできるように口元に向けて角度がつけられているようです。


この角度から見ると、口元の方を向いているのがよくわかるはず。角度だけ見れば、耳に装着するタイプのBluetoothワイヤレスヘッドセットと同じようにも見えます。


端末とのペアリングは2アクションだけで完結。まず、端末のBluetoothをオンにしておき、ケースのフタを開けた状態で端末に近づけると画面下から「AirPods」の表示が出現。この状態で「接続」をタップすると……


ほんの数秒で接続が完了し、利用可能な状態になりました。画面にはAirPodsとケースのバッテリー残量が表示されているので、いつでも状態を確認することが可能です。


AirPodsは、本体を軽く2度タップすることでSiriを起動することが可能。耳に装着した状態で「トントン」と軽くタップすると……


iPhone本体でSiriが起動しました。


その状態で例えば「ギガジンを検索」と音声入力すると、いつもどおりにSiriが音声を認識して検索を行いました。


また、EarPodsや本体マイクを使った時と同じように、Siriを使ってメモやメールを作成したり電話をかけたりすることができます。例えば、AirPodsを2度タップしてSiriを起動して「新規メモ作成」と話しかけると、Siriの音声入力画面が表示されます。


例えば「明日は会場に8時です」と話しかけると、Siriが音声を認識して文字に変換し、メモを作成しました。


メモを開いてみると、話しかけた通りのメモが作成されていました。


気になる通話時の音声品質ですが、通常のイヤホンを使った通話と遜色ないレベルと感じました。特に言及するポイントが見当たらないということは、必要な品質をクリアしていることの裏返しと言えそうです。電車の中のような騒音に包まれる場所でも通話テストしてみましたが、相手にはクリアに聞き取れる音声が届いていた様子。


イヤホンとしての音質を確かめるべく、いつものレファレンス用の曲を聴いてみました。新品ということもあってか、(数か月使っている)EarPodsよりも低音が下に伸びている印象。厳密に測定したわけではなく、あくまで「印象」であることをお断りした上で記述すると、いわゆるサブウーファーが担当する帯域の低音域が良く再生されています。それでいて、「低音強調モデル」のイヤホンに見られがちなモコモコ・ボコボコの低音はなく、スキッとした音像のままに、下まで伸びた低音のおかげで音の重心が低くなっている印象を受けます。特に、EDM系の曲に登場する地を這うようなシンセベースの低音、それもコンプレッサーの効果でキックに合わせてベースが脈動する感じがよく再生されており、音の迫力の面では申し分なし。


その一方で少し気になったのが、ゲームプレイ中のタイムラグの発生でした。例えば「スーパーマリオ ラン」をAirPodsをつけた状態でプレイしてみると、操作やアクションに対して効果音がほんのわずか遅れて聞こえるように感じられ、気になる人はどんどん気になってしまいそう。ほかにもいくつかのゲームをプレイしてみましたが、いずれも若干の遅れが生じるので、タイミングにシビアな音ゲーなどの場合は有線タイプのイヤホンを使っておくほうがベターかも。感覚を頼りに音の遅れをストップウォッチで計測してみると、タイムラグは0.1~0.3秒ぐらいといったところ。


なお、気になる「外れやすさ・落としやすさ」ですが、室内で思いっきり頭を振ってみたり、ジャンプしまくってみたりしたレベルではまったく問題にならなさそうな感じ。本体が非常に軽量なために慣性による影響が小さく、頭や体の動きによく追従するため、ふとした拍子に飛んで行ってしまうようなことはなさそう。むしろケーブルに引っ張られがちな有線イヤホンよりも安定している印象すら受けます。

実用上はほとんど問題なさそうなAirPodsですが、転倒など大きな衝撃を受けた時に耳から外れてしまうと、どこに行ってしまったのかわからなくなる可能性は多いにあるので細心の注意が必要かも。あと、意外な盲点として盗難の被害は気にかけておいたほうが良さげ。街中でひったくりに遭う可能性もゼロではなく、高価なAirPodsを盗られてしまうとダメージは小さくないので、装着時はよく注意しておいたほうが良いと喚起しておきたいと思います。

また、AirPodsでは使えるリモコンによるボリューム調整・再生コントロール機能が使えないのも意外と不便かもしれません。街中で音楽を聴いている時などに「音量を下げたいな」と思った際は、わざわざ端末を取り出して本体を操作する必要があります。せっかくのワイヤレスなのに、操作は本体に依存している点はマイナスポイントとなってしまいそう。

このように、いくつかのウィークポイントはあるものの、一度実物を身に付けてみてその軽快さに慣れてしまうと、有線タイプに戻った時に「こんなにケーブルって邪魔なの!?」と気づかされてしまうという魅力がAirPodsには存在しています。Apple Watchの時にも感じた「あったら便利だが、なくても生きていける」という位置づけに落ち着きそうなAirPodsですが、実際に使ってしまうと有線タイプには戻りがたいというのも一方では事実と言えそう。AirPodsはAppleのオンラインストアなどで税別1万6800円で販売中。記事作成時点では6週間の入荷待ちとなっています。

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