入手困難なAppleの「AirPods」をバラバラ分解、分解してわかったこととは?
イヤホンジャックを廃止したiPhone 7/7 Plusと併せて発表されたAppleのワイヤレスイヤホン「AirPods」は、2016年12月14日にオンラインストアに登場するも瞬く間に在庫不足に陥り、記事作成現時点でも6週間待ちとなっている注目度の高い製品です。その貴重なAirPodsを速攻で購入し分解したレポートが、iFixitにより公開されました。
AirPods Teardown - iFixit
https://www.ifixit.com/Teardown/AirPods+Teardown/75578
AirPodsはワイヤレスイヤホンと専用ケースの2つに分かれています。
まず分解されることになるのはワイヤレスイヤホン。
ワイヤレスイヤホンの外側のプラスチックケースには接合面がないため、ナイフでカットして分解することに。カットする前には、レントゲンでAirPodsを撮影し内部を確認します。
ワイヤレスイヤホンの内部に接着剤が使用されていることを考慮して、まずはワイヤレスイヤホン全体を温めます。
温めたらナイフでカット。
ナイフで円周上に切り目を入れたら、次はピックでこじ開けます。
中には基盤やケーブルなど、小さな部品が詰め込まれています。
内部の部品を取り出すために、イヤホン下部をナイフでカット。イヤホン下部に付いている金属製のパーツは、専用ケースに入れたときにバッテリーとの接点となる部分。
接着剤で固められているので金属製のパーツを外すのはかなり固かったとのこと。中にはバッテリーが入っています。
次はAirPodsの胴体となる細長い部分を縦にカットします。
カットしたらプラスチックケースをピンセットで丁寧に剥がし……
アンテナとバッテリーを取り出すことに成功。
ワイヤレスイヤホンに搭載されているバッテリーは93mWhで、これはiPhone 7のバッテリー容量の約1%ほど。
次は基板やケーブルなどを取り外していきます。
画像の赤色の部分はBluetooth接続や音質を向上させるApple製のW1チップ。オレンジ色の部分はマキシム・インテグレーテッドのオーディオCODEC「98730EWJ」、黄色の部分はサイプレス・セミコンダクターのPSoC「CY8C4146FN」となっていました。これでワイヤレスイヤホンの分解はおしまい。
次に分解するのは専用ケース。専用ケースもワイヤレスイヤホンと同様にナイフでカットして分解します。
専用ケースの上部を取り外すと、リボンケーブルが出てきました。
リボンケーブルの先っぽに付いていたのがペアリングを通知するためのLEDライト。
専用ケースの胴体部分はミニチェーンソーでカットしていきますが、中の部品を傷つけないように細心の注意を払います。
胴体部分にはバッテリーパックが基板につながれています。
搭載されていたのは、3.81Vで1.52Whの中国製リチウムイオンバッテリー。
背面に搭載されているペアリング用のボタンを取り外し……
極小のネジを外してライトニングコネクタを分離。
メイン基板はテープでガチガチに固定されており、取り外すのが難しいとのこと。
取り外したメイン基板には、オレンジ色の部分にNXP製のバッテリ充電用IC「1610A3」、赤色の部分にSTマイクロエレクトロニクス製の「STM32L072」、黄色の部分にARM製の「Cortex-M0+プロセッサ」が搭載されていました。
これでバラバラ分解は終了。分解作業から査定した修理難度は10点満点(10点が最も簡単)中で最高難度の「0点」でした。なぜ修理難度が最高に査定されたのかは、「ケースを破壊せずに内部を修理することが不可能」だから。AirPodsが壊れた際は、自分で修理せずにApple Storeに持ち込むのがよさそうです。
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