インドのiPhone工場で起きた暴動についてウィストロンが謝罪
2020年12月12日、iPhoneの製造を請け負う受託生産企業・ウィストロンがインドに構えるiPhone製造工場で、暴動が発生しました。ウィストロンは工場で働く労働者に適切に給料が支払われていなかったことを認め、インドでの事業を監督する経営幹部を解雇すると発表しています。
Taiwan's Wistron sees no major financial impact from India plant damage
https://tech.hindustantimes.com/tech/news/taiwan-s-wistron-sees-no-major-financial-impact-from-india-plant-damage-71608518204244.html
After riots, iPhone manufacturer says it “deeply regrets” exploiting workers | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/12/after-riots-iphone-manufacturer-says-it-deeply-regrets-exploiting-workers/
現地時間の2020年12月12日、インド南部ベンガルール近郊のナルサプラにあるウィストロンのiPhone製造工場で暴動が起きました。工場で働く労働者たちによる暴動の映像は、以下の記事にまとめられています。
インドのiPhone工場で暴動、窓ガラスが粉砕され車が横転する事態に - GIGAZINE
この暴動を受け、ウィストロンにiPhoneの製造を委託しているAppleは、「インド南部の工場での労働者の取り扱いを改善するまでウィストロンに新規事業を発注しない」という声明をメディア向けに発信しました。Appleは「我々独自の予備調査の結果、(ウィストロンのインド工場では)適切な労働時間管理プロセスの実施に失敗したことによるサプライヤー行動規範の違反が確認されています。これにより、工場では10月と11月に一部の労働者で給料の未払いが発生しました」と、ウィストロンのインド工場で起きた暴動の原因を説明しています。加えて、工場での労働環境の改善が行われるまで、Appleの社員と独立監査人が状況を監視していくと説明しました。
暴動を起こしたのはウィストロンで働く契約労働者たちで、暴動の原因は「給料の未払い」でした。労働者たちは工場内の設備や製造中のiPhoneを破壊し、数億円規模の損害をもたらしており、工場は閉鎖を余儀なくされています。この暴動によりウィストロンの株価は約3%減少しており、ウィストロンの広報担当者はウォール・ストリート・ジャーナルに「今回の事態については誠に遺憾であり、すべての労働者に謝罪します」と声明を寄せています。
加えて、ウィストロンはインドの地方自治体による調査に協力し、「作業計画の改善と工場の復旧について協力していきます」と語り、労働条件の改善を約束しています。また、「ナルサプラ工場は新しい生産ラインであるため、現在のところ生産量は非常に限られており、当初の見積もりでは当社の財務や事業に大きな影響を及ぼしません」と、暴動の影響は少ないことを強調しています。
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