ソフトウェア

開発者の扱うコードの量や複雑さはここ10年で100倍以上に増えている


ユニバーサルコード検索を専門とするSourcegraphが、アメリカ・カナダで活躍する500人以上のソフトウェア開発者を対象に、コードの複雑さと管理の問題についての調査を行いました。その結果、開発者の扱うコードの量は10年前と比較して膨大なものとなっており、半数以上が100倍以上に増えていることが判明しています。

The Emergence of Big Code - download the free report
https://info.sourcegraph.com/emergence-of-big-code-2020-survey


Sourcegraph: Devs are managing 100x more code now than they did in 2010 | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/10/sourcegraph-devs-are-managing-100x-more-code-now-than-they-did-in-2010/

Sourcegraphは、Gitリポジトリ上のソースコードをブラウザ上から検索したり分析したりできるツールです。もともとは企業向けの商用サービスとして展開されましたが、記事作成時点ではすでにオープンソース化されています。


Sourcegraphは報告書の中で、「現代の大規模で複雑なコードベースでは、コードの量と複雑さが大幅に増加しているため、開発者がコードを発見し、理解し、修正することが常に問題となっています」と指摘し、量と複雑さが膨大なレベルになったものを「ビッグコード」と定義。また、ソフトウェア開発者の92%が「自分の所属する組織がビッグコードの悪影響を受けている」と答えたことを報告しています。

ソフトウェア業界に大きな影響を与えるビッグコードがどの程度の規模なのかを数値化するため、Sourcegraphは企業全体のコードベースのサイズをメビバイトとリポジトリの数で測定し、過去10年間でどのように変化したかを調査しました。すると、ソフトウェア開発者の51%が、管理すべきコードのサイズとリポジトリ数が10年前と比べて100倍以上に増えていると回答しました。さらに、ソフトウェア開発者の18%は、500倍以上にまで膨れ上がったと答えたそうです。


加えて、Sourcegraphは、どういった要素が原因でコードの量と複雑さが増したのかを調査。すると、60%以上のソフトウェア開発者が「アーキテクチャ」「対応機器」「オープンソースが使われている量」「プラットフォームやフレームワークの進化」「コードのメタデータ」「プログラミング言語」「ツール」で、量や複雑さが劇的あるいは大幅に増したと答えました。


さらに、扱うコードの量や複雑さだけではなく、ソフトウェアのリリース速度も急速に上昇しているとSourcegraphは指摘。実際に、ソフトウェア開発者の92%が、過去10年間で「より早くリリースすべきという圧力が高まっていると感じる」と答えています。


なお、IT系ニュースメディアのArs Technicaは、「91%のソフトウェア開発者が、『保険、小売、食料関係の企業など、これまでテクノロジー企業とは見なされてこなかった企業のソフトウェア開発を行うケースが増えている』と回答した」という調査結果に注目し、「小売店の大手チェーンであるウォルマートがオープンソース技術のカンファレンスを主催することを考えると、テクノロジー企業でなくてもソフトウェア開発に手を出しているという事実も驚くことではありません」とコメントしています。

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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

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