「日本の開発者はプルリクエスト経由でコードを出す割合が最も高い」などGitHubの2022年のトレンドまとめ

GitHubリポジトリやオープンソース関連の分析を手がけるOSS Insightが、2022年のGitHub利用実態のトレンドを発表しました。これにより、各国の開発者の特色やオープンソース開発でよく使われる言語などの傾向が浮き彫りとなっています。

Open Source Highlights: Trends and Insights from GitHub 2022 | OSS Insight
https://ossinsight.io/2022/

まず、2022年1月1日～9月30日までの期間にGitHubで発生したイベントを集計し、それらを行った開発者がいる地域の上位10カ国をまとめたのが以下です。日本の開発者はプルリクエストでコードを出すことが最も多く、日本の開発者による「PullRequestEvent」イベントの割合は「PullRequestEvent」イベント全体の10％でした。

このほか、アメリカの開発者はコードをレビューすることが多い(PullRequestReviewEventの6.15％)、中国の開発者はリポジトリにStar(スター)を付けるのが好き(WatchEventの17.23％とForkEventの2.7％)で、ドイツの開発者はIssueやコメントをオープンにすることを好む(IssuesEventの4.18％とCommentEventの12.66％)、韓国の開発者はリポジトリを直接プッシュする傾向がある(PushEventの58.22％)なども分かっています。

使用されるプログラミング言語のトレンドの分析では、PythonがJavaを追い抜いた2021年に引き続き3位につけているほか、TypeScriptが2019年の10位から2022年には6位へと順位を上げたことや、SCSSが39位から19位へと急上昇していることなどが分かっています。

一方、バックエンドエンジニアに好まれるプログラミング言語のランキングでは、2021年にGoに抜かれたRubyがその後も落ち込みを続けて2022年には7位になったことや、Rustが2020年から追い上げて11位から9位に食い込んだことなどが示されました。

GitHub上のイベントを週日と週末に分けてみると、開発者の活動の22.27％が週末に行われていることが分かりました。

曜日ごとにイベントを集計したのが以下。火曜日にはPullRequestEvent、PullRequestReviewEvent、IssuesEventが1週間で最も活発になり、週末に入ると頻度が最も少なくなりました。一方、PushEvent、WatchEvent、ForkEventは平日と週末でほぼ変わりませんでした。こうした傾向からOSS Insightは「WatchEventとForkEventは個人的な行動に、Pull Request Review Eventは仕事上の行動に、Push Eventは個人的なプロジェクトで使われていることが分かります」と分析しています。

また、各技術分野に関連するオープンソースリポジトリの数に対する、2022年のアクティブリポジトリの割合を出すとこんな感じ。オープンソースリポジトリとしてはローコード関連のトピックが最も活発で、2022年には76.3％がアクティブでした。また、2位のWeb3関連は63.85％でした。

最後に、1月1日～9月30日までにつけられたスターの数から「人気のあるリポジトリ」を割り出したのが以下。元も多くのスターを獲得した上位50のリポジトリのうち、なんと38％でスパムが疑われるという結果になってしまいました。スパム以外では、文字通りあらゆる素晴らしいものをまとめた「sindresorhus/awesome」を始めとする「awesome」や、中華料理のレシピをまとめた「Anduin2017/HowToCook」などの「education」といった分野のリポジトリが人気を集めました。