刑務所でプログラミングを学んだ女性が仮釈放中に開発者として仕事を得るまで
過去に逮捕歴があると能力があっても職業差別にあうため就職ができず、生活のために再び犯罪を犯し刑務所に逆戻りしてしまう……ということも多いもの。しかし、13年間刑務所で過ごすなかでプログラミングを身に付けた女性が、仮釈放を経てエンジニアとして職を得ることができたとSNSで話題になっています。この女性の就職に携わった財務・税務サービスを提供するpilotのCTOであるジェシカ・マッケラー氏が、自身が得た知見と、犯罪歴がある人が職を得るために必要なことをつづっています。
My friend starts her first software engineering job today, after learning to program in prison.
— Jessica McKellar (@jessicamckellar) September 30, 2020
Here's how she got the job, and how you can help more people like her get jobs after getting out:
First, let's be clear that my friend served 13 years for a serious, violent crime.
後にマッケラー氏の友人となる女性は暴力犯罪で有罪となり、13年の間、刑務所で過ごしました。この女性は社会復帰推進団体The LAST MILEの通じて刑務所の中でプログラミングのコースを受講し、プログラミングを学んだとのこと。女性はその後、仮釈放されることになりました。
マッケラー氏は元囚人のサポート団体「Bay Area Freedom Collective」で女性と出会いました。女性の目標はソフトウェア開発者としてフルタイムの仕事を得ることで、マッケラー氏が面接の練習をしたところ、女性は開発者として初級レベルをはるかに超えていたとのことです。
しかし、現実の面接はうまくいきませんでした。サンフランシスコでは雇用主が逮捕歴などについて質問することが禁じられていますが、女性の履歴書はキャリアに13年のギャップがあり、それを説明するには刑務所でプログラミングを学んだことを説明する必要がありました。そして、インターネットで検索すれば女性が逮捕された原因となった暴力犯罪を容易に調べることが可能だったとのこと。
「彼女にはセカンドチャンスについて真剣に考えている企業が必要だ」と考えたマッケラー氏は、社員500人規模のフィンテック企業に勤める友人に連絡を取りました。この友人の会社は見習いプログラムを実施しており、過去に有罪判決を受けた人の雇用について法的に明確なガイドラインを設けていたため、女性の受け入れ体制が整っていたそうです。
女性の雇用を実現するため、マッケラー氏は女性と企業側のどちらに対しても入念な準備を行いました。企業に女性の情報をどれほど事前提供するか、刑務所でしかプログラミングを行ってきていない女性が「これまでに経験したコラボレーションは?」という質問にどう答えられるようにするかなど、多くの点で課題が存在したとのこと。
そして何十時間もかけて面接の準備を行った結果、女性は一次面接であるオンラインコーディング試験を突破し、二次面接である人事面接も通過。その後、より複雑なコーディング課題に挑戦し、チームのメンバーと会い、面接を行った後に、採用が決まったとのこと。
マッケラー氏は女性が職を得ることが理由について、The LAST MILEを通してプログラミングを刑務所で学べた数少ない囚人であったこと、仮釈放されたのが支援団体やテクノロジー企業とつながりやすいサンフランシスコのベイエリアであったこと、そしてマッケラー氏に「法的に明確な面接基準を持ち、元囚人に対しても公平にチャンスを与えるテクノロジー企業」の役員である友人がいたことを挙げています。
この女性が得たような機会を増やすために、マッケラー氏は「犯罪歴がある人を雇いたい」と考える企業に対し、再雇用プログラムと通じて「経歴の確認を行うこと」「初級レベルの雇用を用意すること」「職業訓練の提供や再雇用プログラムのような積極的なアウトリーチを行うこと」を呼びかけています。
3. Active outreach.
— Jessica McKellar (@jessicamckellar) August 11, 2019
If you want to hire people with records, you need to spend time with people with records who are looking for jobs. I recommend volunteering with job training and re-entry programs, inside or outside of prisons. pic.twitter.com/HPInl6hTtc
このほか、刑務所でボランティアを行うことや、地域の議員に対し刑務所で学ぶ生徒への補助金の増加を求めることについても、マッケラー氏は言及しました。
なお、オンライン掲示板のHacker Newsには同様の経験を持つ人からのコメントが並び、元囚人の社会復帰において「コーディングを学ぶことは不可欠」だと述べられています。
My friend starts her job today, after learning to program in prison | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=24652182
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in ソフトウェア, Posted by darkhorse_log
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