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世界最高の図書館に選ばれたヘルシンキ中央図書館「Oodi」、ゲームや3Dプリントもできてあまりにもレベルが高すぎる


2019年8月27日、ギリシャのアテネで開催されている第85回世界図書館情報会議の中で、国際図書館連盟(IFLA)が2019年度の「Public Library of the Year(公共図書館オブ・ザ・イヤー)」を発表し、フィンランドのヘルシンキにある中央図書館「Oodi」が選ばれました。このOodiは通常の図書館として機能するだけでなく、ゲーム機や3Dプリンターの貸し出しも行っている、一般的な図書館の枠組みを超えた図書館となっています。

Helsinki Central Library Oodi chosen as the best new public library in the world - Oodi
https://www.oodihelsinki.fi/en/helsinki-central-library-oodi-chosen-as-the-best-new-public-library-in-the-world/

Home - Oodi
https://www.oodihelsinki.fi/

Oodiはヘルシンキのカンサリストリ広場にある公共図書館です。ヘルシンキに存在する37つの市立図書館のうちのひとつで、ヘルシンキ音楽センターフィンランディア・ホールサノマハウスなどと共に、ヘルシンキに存在する文化ホール群として機能しています。

外観はこんな感じ。木材の黄色とガラスの水色のツートンカラーでいかにも近代的なデザインの建物。


上半分がガラス張り。


道路や……


芝生に面しています。


自転車が走れる広めの通路と、入り口前には広めのスペースが設けられています。


冬のヘルシンキでライトアップされたOodi。


人の目線の高さから見るとこんな感じ。木造の壁が斜めにせり出しており、屋根替わりにもなる感じ。


屋根下に入るとこんな感じで照明も埋め込まれています。


雪に覆われたヘルシンキの中だとこう。


Oodiの前に広がるスペースにはたくさんの緑が植えられています。


Oodiのフロアマップによると、建物は3階建てで1階は主にイベント用スペース・会議用スペース・シネマ・カフェスペースが入っています。2階には楽器の演奏や写真の撮影・現像などが可能な複数のスタジオが用意されているほか、3Dスキャナー・レーザーカッター・ヒートプレス機・ミシン・刺繍機などが置かれた作業スペースなどが用意されています。そして3階は最も普通の図書館と同じような設備を有しており、約10万冊の蔵書が自由に楽しめるほか、雑誌・映画・楽譜・ゲームの貸し出しも行われているそうです。なお、楽譜の収蔵点数は9000点とのこと。

1階は通路スペースが広くとられています。


実際にたくさんの人がつめかけるとこう。


1階にはカフェ・レストランスペースも併設されています。営業時間は8~22時で、メニューは日替わりのようです。


1・2・3階をつなげる螺旋階段


3階はガラス張りの窓からたくさんの光が差し込みます。


木造の直線的なデザインの本棚&階段エリアと、滑らかな曲線の中に照明が埋め込まれた天井は非常に対照的なデザイン。


階段部分でそのまま休憩したり本を読んだりしてもOK。


もちろんソファやカーペットも完備されており、好きなスタイルでくつろげます。


3階には広大な図書館エリア用意されており、約10万冊の蔵書が自由に読んだり借りたりできます。


本棚は背が低くなっており、その影響か蔵書が多いのにかなり広々とした空間となっています。


本棚の脇には広々とした通路と座って本が楽しめるイス。


本棚は縦に3段のみ。


通路は広々としているので、周りを気にすることなく蔵書を確認できます。


車イスでもストレスなく好みの本を探せるほど本棚間のスペースが広く取られています。本棚の背が低いのは、車イスの使用者にとってはかなり助かりそうなところ。


ガラス張りの壁面に映るヘルシンキの街並み。


階段を読書・作業スペースにしてもOK。


ソファに座ってじっくり読書しても良し。


貸し出されているのは本だけでなく、新聞や雑誌、さらには貸し出し可能なタブレットからデジタル版の海外新聞などを読むことも可能。なお、タブレットから読むことができる電子書籍の点数は340万点にものぼるとのこと。


半個室のようなスペースや……


作業スペースやミーティングスペースも多数用意されています。そのため、図書館として利用するだけでなく、フリーランスで働く人がオフィス代わりに使用することも推奨されています。なお、OodiではPC・プリンター・コピー機・スキャナー・Wi-Fiが無料で使用できます。


大量のクッションが集まってできたイス。


広々とした作業スペース。


2階のアーバンワークショップエリアでは3Dプリンターのレンタルも可能。


3Dプリンターのほかに、レーザーカッターやヒートプレス機、ミシン・刺繍機などが置かれた作業スペースもあるので、Oodiは普通の図書館では考えられない用途に使えます。なお、アーバンワークショップでのスペースや設備の予約はインターネット上からも可能です。


Oodiではゲームの貸し出しも行っており、専用のプレイルームでゲームを遊ぶことも可能。貸し出しされているのはPlayStation VRなどのコンソールゲームだけでなく、PCゲームも専用のハイスペックなPCを使ってプレイ可能。


置いてあるのはデジタルゲームだけでなく、ボードゲームや漫画、映画などもあります。


お手洗いも広々としています。


Oodiは2016年後半から建設がスタートし、2018年のフィンランド独立100周年を祝うタイミングでオープンしました。施設がオープンする前の2014年の段階で公開された以下のムービーでは、Oodiのコンセプトや収容設備などが細かにわかります。

Welcome inside the Central Library! on Vimeo

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in メモ,   動画, Posted by logu_ii

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