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月に600万円以上稼ぐソフトウェアエンジニアリング関連ポッドキャストを成功させたクリエイターが語るメンタリティ

By Alec Utin

ソフトウェアエンジニアリング関連の専門家のインタビュー番組を中心に、ほぼ毎日配信を行っているポッドキャスト「Software Engineering Daily」は、月間の収入が6万ドル(約640万円)にも達する人気チャンネルです。この番組を取り仕切るジェフ・メイヤーソン氏が、番組の誕生のきっかけから成長の段階などを振り返っています。

Making $60,000/mo from a Podcast on Software Engineering - Indie Hackers
https://www.indiehackers.com/interview/making-60-000-mo-from-a-podcast-on-software-engineering-0fa342480f

Software Engineering Dailyは1つのエピソードが最長で60分程度の番組を配信しており、各番組では特定の技術や企業、アイデアなどについての内容が盛り込まれています。番組の狙いは「リスナーに学びの機会とエンターテインメントを提供すること」にあるというSoftware Engineering Dailyは、一週間あたりのダウンロード数が最大で14万回にのぼり、6万ドルの収入は広告販売によってもたらされているそうです。

Software Daily
https://www.softwaredaily.com/


メイヤーソン氏が自分でポッドキャストを始めるきっかけになったのは、同じくポッドキャストを配信しているSoftware Engineering Radioのロバート・ブルーメン氏の下で見習いとして勉強したこと。このポッドキャストは長い歴史を持ち、熱心なリスナーに恵まれて月間ダウンロード数は5万回規模だったそうです。

その後の2015年になった頃、それまで聞いていたエンジニアリング系のポッドキャストが次々に終了したことから、メイヤーソン氏は自分でポッドキャストを立ち上げることを決意しました。

◆ポッドキャストを始めるためにそろえた機材など
Software Engineering Dailyはあまりお金をかけずに立ち上げられたとのこと。ウェブのプラットフォームは安価なWordPressを使い、安物のマイクとフリーの音声編集ソフトを用意しただけの状態で番組はスタートしました。そのかわり注力したのが番組コンテンツの充実とのこと。メイヤーソン氏はかつてAmazonに在籍していたそうなのですが、退職する最後のタイミングではすでに15本のインタビューのアポイントが取れていたそうです。

しかし、メイヤーソン氏はインタビューする相手がいる業界について必ずしも詳しい知識を持っているわけではなかったとのこと。そのかわりにメイヤーソン氏が心掛けたのが、「良い質問をする」ということで、日々新しいネタと知識の蓄積に励むためにジョギングをしながらいろいろな番組を聞く日々を送ったそうです。

ポッドキャスト開始からすぐ、メイヤーソン氏は成功してビジネスとして成り立たせる手応えを少し感じ始めたとのことで、その段階では「60%の自信」が芽生えてきたそうです。インタビュー相手に業界のビッグネームを迎える機会も増え出したことで次々にリスナーを拡大する勢いにも恵まれたほか、収益モデルを改善するための担当者をフルタイムで雇い入れたことでもビジネスの基盤が安定してきました。

◆リスナー獲得の状況は?
2015年に配信を開始したSoftware Engineering Dailyは、最初は緩やかなリスナー増加にとどまりましたが、2016年5月頃から急激にグラフが上昇し、1万人の大台を突破。その後は2万人の大台も超えています。この増加は「口コミ」によって大きく支えられていたとのこと。


メイヤーソン氏はSoftware Engineering Dailyについて、「広告主とリスナーコミュニティの両面性を持つマーケットプレイス」と捉えており、この2つをうまく融合させることに力を注いでいます。リスナーからのフィードバックを活用し、同時に広告主の要望にも耳を傾けることで求められているニーズに合致できているかについてのチェックも怠らないとのこと。

既存の大きなメディアからインスピレーションを得ることもあるというSoftware Engineering Dailyですが、成長のスピードがあまり速くないとしても、あまりそのことを気にしすぎることはないとのこと。むしろ、その間にコンテンツを多くそろえておくことで、将来リスナーが増加した時に圧倒的なコンテンツ量を提供できる、というふうに考えているそうです。

◆Software Engineering Dailyのビジネスモデルは?
基本となるビジネスモデルは、広告収入型コンテンツ配信。また同社ではiOSとAndroid向けのアプリを提供しており、その中では月額10ドル(約1100円)または年額100ドル(約1万1000円)で広告表示をカットするサービスも提供しているとのこと。決済プラットフォームにはStripeを利用しているそうです。

広告収入の実態は以下のような感じで、一定の幅を持って推移しているとのこと。ポッドキャストでの広告はウェブ広告に比べるとそれほど一般的ではないため、広告主にポッドキャスト広告の宣伝力を伝えることが難しいこともあるようですが、おおむね右肩上がりで実績は推移している模様。


◆Software Engineering Dailyの将来のゴールは?
何よりも「ハイクオリティーなコンテンツを配信する」ことを第一に掲げるSoftware Engineering Dailyは、その原理に則った上でさまざまな施策を実施しているといいます。同社が提供しているOpen Source Projectは人々が「ソフトウェア」のもとで集ってコラボレーションを生み出す場所として提供されており、ここでは初心者からエキスパートまで幅広い人々の交流が行われているとのこと。

Software Engineering Daily | Open Source Guide
https://softwareengineeringdaily.github.io/


◆これまでで最大の問題は?もしもう一度やり直せるとしたらどうする?
学生時代に競技レベルのポーカープレイヤーだったというメイヤーソン氏は、ポーカーを通じて自分について学び、リスクを取る方法を体験してきたとのこと。しかし19歳の時に大金を失ったことでポーカーから手を引くことになり、そこから2年間は空っぽの日々が続いたそうです。そんな時、学生だったメイヤーソン氏はさまざまな分野について学習し、現在の仕事にも関係があるコンピューターサイエンスの分野に関わることになりました。

もしやり直す機会があるとすれば、もっと健康について注意を払うとメイヤーソン氏は述べています。エクササイズや食事、睡眠、人との交流などに力を入れ、他人にもっとうまく接して思いやりを持つことに力を入れたいと述べています。

◆何か役立つことや有利になることは?
メイヤーソン氏は、自身には理解しようと思っている相手のメンタルを見る能力があると述べており、相手の目線にたって社会を見ることが楽しいとのこと。また、学習を行う場合に本ではなく人から教わることが選ばれることが多いのですが、本には知識が凝縮されているといいます。一方、Twitterやポッドキャスト、YouTubeなどは、人々が持っているアイデアの「万華鏡のような見方」を提供してくれると語ります。また、社会のメインストリームから一歩置いた立ち位置で知識を提供してくれる「intellectual dark web」(知的なダークウェブ)を利用するのも良いとメイヤーソン氏は述べています。

メイヤーソン氏はまた、自分の部下に「ゆっくりと金持ちになろう」「何が欲しいのかがわかっていないと、それを手にすることはできない」「ゴールを頭に置いて物事をやり始めること」などの金言が書かれたポスターを何枚も掲げているとのこと。その他にも、「ちゃんと計画的な料理を作る」「今はやりのエクササイズ法を試してみる」「タブー的な話題について語り合う」など、健康的なメンタルを保つための対策も行っているそうです。

◆これから何かを始めようとしている人にアドバイスは?
若い企業家に対するアドバイスを求められたメイヤーソン氏は、「君は特別だ。みんなが君を必要としている。君の中には、他には誰も作ることができない何か特別なものがある」と言葉を贈っています。自分をハードにプッシュし、訓練を積み、情報をより多く取り込み、実験を繰り返すことで、自分が正しいことを確かなものにしろ、とアドバイス。

さらに、中国のテック系企業のメンタリティである「9-9-6」スタイル(午前9時から午後9時まで、週に6日働くというスタイル)を取り入れるべきとも。長期目標を持って「10年後にどの場所に位置したいのか」を明確にし、そこから逆算して今何をすべきか考えるべき、とかなりゴリゴリ系なアドバイスを贈っています。

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