Googleが「忘れられる権利」により削除したURLの詳細な内訳が示された「透明性レポート」2018年版を公開
2014年5月欧州司法裁判所において、Googleなどの検索結果から自身に関する情報の削除を求めることができる「忘れられる権利」を認める判決が下されました。そこで、Googleでは同判決後の情報削除の受付を開始以降、検索結果インデックスから除外したURLの内訳などをまとめた「透明性レポート」を定期的に更新しています。そのレポートの、2018年2月までの情報をまとめた内容の更新が行われました。
Transparency Report
https://transparencyreport.google.com/eu-privacy/overview
Updating our “right to be forgotten” Transparency Report
https://blog.google/topics/google-europe/updating-our-right-be-forgotten-transparency-report/
Googleが2018年2月時点までに検索結果から除外したURLの件数は65万4876件。除外申請の数は243万7271件でした。
このグラフは、除外申請の累計件数と除外したURLの累計件数の推移を示したもの。赤い線が除外依頼の件数、青い線が除外した件数で、受付開始直後を除き、極端な変化は起きていないことがわかります。除外依頼、除外したURLともに右肩上がりで増加し続けていますが、受付開始直後を除き、極端な変化は起きていないこともわかります。
「Googleが審査したURL」のうち、除外されたURL(赤)と、除外されなかったURL(青)を示した円グラフ。申請後、審査を受けて除外されるURLは43.3%とのことなので、申請要件を満たしていない等の理由で審査されていないURLも多数あるようです。
除外の申請を行ったのは88.7%が「私人」(青)。
「私人」に含まれない11.3%の内訳は、未成年(青)が約4割程度、企業(赤)と政府関係者(黄)が2割ほど、民間の公人(緑)が14%ほどとなっています。
除外したURLが属していたサイトカテゴリは、最も多かったのが「その他」(青)で、約半数を占めています。以降、「ディレクトリサイト」(赤)、「ニュースサイト」(黄)、「ソーシャルメディア」(緑)、「その他」(灰)の順で続いています。なお、2つの「その他」の違いについてはレポートでは説明されていません。
除外申請の理由をカテゴリ分けすると、最も多かったのは「情報が不足している」(青・24.7%)でした。以下、「職業情報」「その他」「名前が存在しない」「自作」「犯罪」と続いています。
また、ウェブサイトのカテゴリ別にどんな除外理由が多いのかを見ると、たとえば「政府系のサイト」においては「職業情報」に関する申請が多かったようです。
除外申請に対して実際に除外した数をグラフにしたものがこれ。ディレクトリサイトとソーシャルメディアは平均して5割を超えています。
どんな理由であれば、除外されやすいのかというのもグラフで示されており、ほぼ100%除外されるのが赤色の「名前が見つからない」というもの。おそらく有名人の名前をソースコード内に入れて、アクセス数を稼ごうとするような行為が行われていることが推測できます。2番目は「情報が不足している」(黄)、3番目は「機密性の高い個人情報」(黒)で、このあたりの除外申請は9割近い確率で除外されています。
「家庭内暴力の件で裁判となり無罪判決を受けた被告からの、過去に報じられた事件の記事についての除外申請」など、申請に対するGoogleの対応についても、具体的な事例が一部公開されています。
以下はGoogleが除外したURLの中で、除外依頼に対して高い割合で除外したURLのドメイン名一覧を示しています。ここではFacebookやTwitterなどのSNSのドメインが多く存在していることがわかります。
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