Googleが「忘れられる権利」の行使で実際に削除を行ったドメインのリストが公開される

By Global Panorama

インターネット上に拡散される個人情報の扱いをめぐり、2014年5月にEUの最高裁判所に相当する欧州司法裁判所の下した判決において、インターネットの世界から「忘れられる権利」が認められています。インターネットで「忘れられる」ということは「Googleの検索に引っかからない」ということとほぼ同義であるということで、判決を受けてGoogleはページ検索結果の一覧に表示される情報に対して削除を依頼できるフォームを提供しています。

フォームの設置以来、Googleには多くの削除依頼が舞い込んでおり、2014年12月には削除依頼の総数や削除数の多かったサイトの統計を公開していましたが、その2015年度版ともいえるアップデートが11月25日に公開されました。

Google Lists Most Affected ‘Right to Be Forgotten’ Domains - Digits - WSJ
http://blogs.wsj.com/digits/2015/11/25/google-says-it-reviewed-1-2-million-web-pages-for-right-to-be-forgotten/

Googleなどの検索エンジンは、個人から削除リクエストが寄せられた際にはそれらを個々に評価する必要があり、公益に資する場合にのみ結果の表示を継続できるとのこと。つまり、個人情報であっても公益のために有効・必要である場合には依頼が却下されることもあると言うわけです。Googleが評価を行い、実際に削除された件数やその内容などの情報は以下の日本語ページでも閲覧することが可能です。

検索に関する欧州のプライバシー – 透明性レポート – Google
http://www.google.com/transparencyreport/removals/europeprivacy/

2014年5月からの通算でGoogleに寄せられたリクエストの総数は34万8085件で、削除すべきかGoogleが評価したURLの総数は123万4092件にのぼっているとのこと。実際に削除されたURLの総数は44万1032件で、反対に削除リクエストがあったのにも関わらず、削除されなかったURLは60万8169件とのことで、リクエスト全体の42%が削除されたことが明らかにされています。なお、審査待ちなどの情報が反映されていないためか、グラフと数値の合計値には隔たりがあります。


統計は国別に分類して閲覧することも可能。フランスに関わりのある人から寄せられたリクエストでは、全体の48.4%が削除されています。


ドイツに関する内容でも、全体の48.2%が削除されており、フランスと同レベルといえる状態。削除のリクエスト件数とURLの数を見ると、平均してリクエスト1件につき3件のURLが削除依頼されている傾向も見えます。


イギリスに関しては、38.1%が削除される結果に。


スペインでは37.2%が削除。やはりリクエスト1件あたりのURLは3件程度となっているようです。


イタリアだと29.7%のURLが削除。逆に、70.3%が削除されていないということになっており、この他の国との違いが何を意味しているのかが興味深いところです。


実際の依頼内容を見ることも可能です。イギリスでは、軽微な犯罪に関するニュース記事が削除された後に、この削除に関する記事が新聞に掲載されたのですが、Googleでは情報コミッショナー事務局(ICO)から、個人名に対する検索結果からこの「削除に関する記事」を削除するよう命令を受けたことから、その個人の名前による検索結果から該当するページを削除したとのこと。


ベルギーからは、過去5年間に重大な犯罪で有罪判決を受けたものの、その判決が控訴審で破棄された個人から、事件に関する記事を削除するようリクエストが行われました。Googleではその個人の名前による検索結果から該当するページを削除しています。


しかし、削除されなかったケースも。ハンガリーのある上級公務員から寄せられたリクエストでは、数十年前の刑事上の有罪判決について取り上げられている最近の記事を削除するよう依頼がありましたが、Googleでは検索結果から該当する記事を削除しませんでした。


フランスでは、児童ポルノ所持の罪で有罪判決を受けた司祭から、判決と教会からの追放を報じた記事を削除するようリクエストがありましたが、Googleは検索結果から該当するページを削除しませんでした。これらは公益性を鑑みた措置ということになるようです。


◆削除の多かったサイトトップ10
以下のリストに上がっているドメインでは、検索結果からほとんどのURLが削除されているとのこと。また、検索結果からの削除がリクエストされたURLの総数のうち、これら上位10サイトのURLが9%を占めているそうです。


◆www.facebook.com(削除されたURL:10220)
言わずとしれた世界最大SNS。以前から個人情報の扱いについては問題が取り沙汰されることもあり、2015年11月初頭にも「登録ユーザー以外の個人情報収集を48時間以内に停止せよ」との裁判所命令がベルギーで下されています。

www.facebook.com


◆profileengine.com(削除されたURL:7986)
個人の性別、年齢、氏名などを手がかりにSNSなどからページを検索するサイト。

Find people : The Profile Engine


◆groups.google.com(削除されたURL:6764)
Google自身が提供している「Googleグループ」でも削除が行われています。サービスそのものというよりも、そこに書かれた内容に問題があったといえそう。

Google グループ


◆www.youtube.com(削除されたURL:5364)
こちらもGoogleが提供する世界最大の動画シェアサービス「YouTube」。

YouTube


◆badoo.com(削除されたURL:4428)
ロシア生まれでイギリスに拠点を置く、知らない人同士を結びつけるSNSサービス。サービス内容については「出会い系」という表現も。

Badoo, で新しい人との出会い、友達作り、チャット、交流


◆plus.google.com(削除されたURL:4134)
Googleが運営するSNSサイト。

Google+


◆annuaire.118712.fr(削除されたURL:3930)
コンサートや映画、レストランなどを検索できるフランスのディレクトリサービス。

118712


◆twitter.com(削除されたURL:3879)
多くの人が利用するTwitterでも検索結果の削除が行われている模様。

Twitter


◆www.wherevent.com(削除されたURL:3465)
イベントやパーティーの情報を共有する交流サイト。

Events all over the world


◆www.192.com(削除された URL: 3083)
イギリス国内の人物やビジネス、都市などの情報を提供するディレクトリサービス。「他のサービスとは違い、フルネームや住所、年齢、写真などをリスト化!」と特色を述べています。

Search for People, Businesses and Places - 192.com

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