機能的なデザインにこだわりまくったadidas(アディダス)新本社ビルが秀逸
1920年代に最初はダスラー兄弟商会という名前の靴屋としてドイツの小さな田舎町でスポーツシューズを作り始めたものの、1948年には仲違いして分裂、製造を担当していた弟・アドルフ・ダスラーが自分の名前と姓を縮めて「アディダス」社に、販売を担当していた兄・ルドルフ・ダスラーは「ルーダ」社となり、翌年にはさらに軽快な「プーマ」社に改名、そして現在に至るわけです。
そんなわけでなんとadidasとpumaは非常に近い場所に本社があるわけですが(通称:アディプゥ村)、adidasの方が今年になってかなり秀逸なデザインの新本社ビルを完成させました。外観だけでなく中のオフィスデザインも凝っており、オフィス内の机なども独自の機能的なデザインとなっています。
WORKOUT - Interior by KINZO >> Yanko Design
kadawittfeldarchitektur
adidas WORKOUT | KINZO Berlin
これが外観
かなり鋭角なデザイン
中はこうなっています。外光がふんだんに中へ差し込む感じになっており、このあたりのコンセプトはGoogle本社と似ています。
渡り廊下
それぞれの辺の部分とつなげているわけです
すさまじい高さの吹き抜け
近未来的
廊下はこうなっています
斜めな空間
いかにもスポーツメーカーという雰囲気のロビー
こんなフロアもあり
屋根はこうなっています
オフィス内
なんだかコンセプトデザインみたいに見えますが、ホンモノです
この棚の大きさや形は奇をてらったデザインというわけではありません
このような人間工学に基づいています
そのため、収納したものが取り出しやすいようにできている、というわけ
試作したボールを展示することも可能
使いやすくするというのが主眼でデザインされており、スポーツ用品メーカーとしてのこだわりが垣間見えます
机は高さ調節が可能なのもポイントで、座高や体型に合わせて上下可能です
机の引き出し
電源はここから
向かいの机との仕切りも有効活用
このゴールネットみたいなものはパーティションも兼ねています
こうなる
実際に働いている様子を外から見るとこうなります
本社ではいろいろな主力商品のデザインや開発を行っているため、それらのデザインや色合いを検討しやすいように「白」がカラーの基調になっているようです
夜になるとこうなります
どの部署がよく動いているかがよく分かる
ハンガーとコンテナ式ロッカー
これはミーティングルーム。特にこのミーティング用の机はすさまじい凝りっぷりで、企画・開発を主眼に据えているだけのことはあって、その要となる会議をスムーズに進めるための工夫が実は秘められています。
電源ケーブルはコンパクトに収納可能
そしてこの脚の部分がこだわりです。実際にこのサイズのテーブルや机の購入を検討した人には分かると思いますが、キャスター付きのイスを使っていると「脚」がとにかく邪魔になるので、いかに脚の部分をコンパクトにするかがポイント。かといって強度が失われたり、机の上への荷重限度が減ってもいけないわけで、だからといって床との設置面積を多くしても安定するわけではなく、床を傷つけてもダメで、なかなか難しいのですが、そこをうまくクリアしています。
入念なチェックと試行錯誤がこのようにして行われて今に至るわけです
脚の部分の模型
完成品、このあたりがこだわり
建物自体も移動しやすくできているのが分かります
上から見るとこんな感じ
内部はこういうレイアウトになっています
最初の時点でのサンプル模型
最初のコンセプトデザインを見ると、開放的なイメージや各種デザインなどが最後までぶれていないのがよく分かります
これも初期のレンダリングイメージ、今とほぼ同じ
模型
20分の1サイズの模型
デザインチームが使う棚一つにしてもこのように本格的
試作中
日々の作業を行う事務机
このようにして厳密に設計されています
試作した靴を並べる棚、このあたりがアディダスだからこそ必要なもの
最終的なプロトタイプ
ミーティングにも使える多目的オフィス
パーティションはゴールネット風
あるいはこのようにも使うことを想定
ロッカーの棚のプロトタイプ
ちゃんと閉まるのでプライベートも保たれます
このようにして試作品を置いて見るための棚
各種素材をずらっと並べられる開発チームフロア
実際にはこうなります
素材を置いたり試作品を置くための場所
端っこの曲面までこだわりぬきます
結果、最終的に新規にデザインしたオフィス内家具の数々。これらを組み合わせて快適かつ機能的なオフィスを作り上げているわけです。
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