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映像インターフェース規格の「DisplayPort」はいったい何がすごいのか?


映像ディスプレイなどのデジタルディスプレイ機器用のインタフェース規格であるDisplayPortは、今ではPC用モニターやグラフィックボードの多くに搭載されており、主要な映像規格の1つとなっています。そんなDisplayPortについて、技術系ニュースサイトのHackadayが解説しています。

DisplayPort: A Better Video Interface | Hackaday
https://hackaday.com/2023/07/11/displayport-a-better-video-interface/


DisplayPortはアナログRGB端子であるVGAやデジタルデータを転送可能なシリアルインターフェースのDVIの後継となるように、映像周辺機器に関する業界標準化団体のVESAによって設計されました。Hackadayは「DisplayPortは、HDMIなどのインターフェースのもつすべての機能を備えていますが、従来の余分なものを排除し、より堅牢なアーキテクチャを活用して実装されています」と評価しています。

主に家庭用のテレビやレコーダー、ゲーム機に使われているデジタル映像インターフェース規格のHDMIは、TMDSと呼ばれるシリアル伝送方式を採用しており、ストリームデータをRGBの映像データ3チャネルと再生同期用のリファレンスクロック1チャネルに分解して転送します。HDMIの映像伝送方式は、映像をRGBの3チャンネルに分けるという点でVGAやDVIと似ているといっていいかもしれません。

しかし、DisplayPortはマイクロパケット方式を採用しており、ストリームデータを「Transfer Unit」という単位のマイクロパケットで転送します。つまり、HDMIやVGAのようにデータを映像信号として分解するのではなく、マイクロパケットという形に細かくまとめながら映像をデータのままで送信するのがDisplayPortの大きな特徴です。そのため、DisplayPortは他の規格にも対応できるほど、インターフェースとしての柔軟性が高い規格となっています。


このDisplayPortと共存してきたデータ伝送形式がThunderboltです。Thunderboltは映像信号と音声信号についてはDisplayPortを利用しており、Thunderbolt1とThunderbolt 2ではコネクタにMini DisplayPortを採用しています。また、Thunderbolt 3からはUSB Type-Cコネクタが採用されましたが、DisplayPortで映像を出力することが可能です。

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さらにDisplayPortはマイクロパケット方式でデータを転送するため、1つのリンク内に複数の映像ストリームデータを転送できるようになりました。これはマルチストリームトランスポート(MST)と呼ばれる機能で、要するに1つのDisplayPort出力で複数のモニターを使用することが可能になります。複数のモニターを同時に表示させるには、「MSTハブ」と呼ばれる装置を使うか、あるいはMST対応チップを搭載してDisplayPort出力端子を搭載しているモニターであれば、DisplayPortケーブルでモニター同士をつなぐ「デイジーチェーン」接続を行う必要があります。

DisplayPortの端子は全部で20ピンで、そのうちメインレーンが4種類×2ピンとなっています。しかし、データ転送量によっては4つのメインレーンを使う必要がない場合もあり、その場合は帯域幅が狭くなるものの、配線も少なくて済みます。この特徴を活用したのがeDP(embedded DisplayPort)という規格です。ノートPCやスマートフォンの映像インターフェースには高解像度・低消費電力・低コストが求められますが、これまで使われていたLVDS((Low Voltage Differential Signaling)というインターフェースでは限界を迎えていました。LVDSでは6×2ピンあるいは8×2ピンの配線が必要ですが、eDPであれば2レーン×2ピンで実現できるため、より低いコストで設計が可能になるというわけです。


加えて、Hackadayは「DisplayPortのいいところは、HDMIではないということです」と述べています。HDMIもDisplayPortもオープンに利用できる規格ではありませんが、HDMIの方が制限がかなり強いとのこと。実際、AMDはLinux向けドライバーに高解像度やFreeSyncへの対応を実装できていませんが、その原因はHDMIという規格がかなり強く制限されていることだと以前から指摘されています。

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Hackadayは「DisplayPortは予想よりもはるかにフレンドリーなインターフェースです。DisplayPortの登場以来、IntelとAMDはDisplayPortに大きな賭けをしてきました。現在では、たとえ外側からDisplayPortコネクタは見えなくても、ポータブルデバイスの定番インターフェースとなっています。HDMIは二級市民のようなものです。DisplayPortには一流として扱うに値する十分な利点があるのです」と、DisplayPortを高く評価しています。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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