ハードウェア

SpaceXが6カ月でStarlink衛星260基を大気圏で焼却処分していたことがFCC提出の半期報告書で明らかに


SpaceXは2026年7月1日付でFCC(アメリカ連邦通信委員会)に提出した第1世代・第2世代Starlinkの半期報告書において、2025年12月から2026年5月までの間に260基のStarlink衛星を大気圏再突入によって処分したことを明らかにしました。

ICFS Pleadings & Comments Summary - ICFS Portal
https://fccprod.servicenowservices.com/icfs?id=ibfs_pc_summary&sys_id=0480680acfb947505791bf252f851c5b

SpaceX vaporizes 260 Starlink satellites in six months using Earth's atmosphere — new environmental concerns emerge over burning 2,700-pound orbital data centers, FCC seeks to exempt satellites from regulations | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/space/spacex-vaporizes-260-starlink-satellites-in-six-months-using-earths-atmosphere-new-environmental-concerns-emerge-over-burning-2-700-pound-orbital-data-centers-fcc-seeks-to-exempt-satellites-from-regulations

報告書によると、処分されたStarlink衛星260基のうち176基は第1世代のもので、残りは第2世代の衛星でした。これに加えて、同じ6カ月間にさらに349基の衛星が運用停止となっており、今後数カ月のうちに順次処分される予定です。Starlinkは1万基を超える衛星群を運用しており、日常的に複数の衛星を処分しているとされています。

各衛星の運用寿命はおよそ5年とされ、燃料が枯渇した段階で残された燃料を使って制御された降下軌道に入り、最終的に大気圏に突入して完全に燃え尽きる仕組みになっています。第1世代の衛星は約260から295キログラム、第2世代の衛星は約800から1250キログラムの重量があり、回収は技術的に困難でコスト面でも非現実的であるため、この焼却による処分方式が採られています。


この処分方法は機体をほぼ完全に焼却するため地上に落下物を残さない一方、大気への影響については研究者から追加の調査や規制を求める声が上がっています。FCCはこれまで衛星を環境審査の対象から除外してきましたが、これは規制が宇宙開発競争を遅らせることへの懸念からとされています。FCCは、衛星運用を「域外活動」として国家環境政策法(NEPA)の適用対象から除外することを正式に提案していますが、記事作成時点でこの提案はまだ承認されていません。

SpaceXは今後低軌道に最大4万2000基のStarlink衛星を配備する計画を持っており、1月には第2世代の衛星7500基の追加についてFCCの承認を得ています。あわせて、120キロワットの演算能力を持つ軌道上データセンター「A1」の計画も発表しており、これらの衛星を製造するため延べ床面積1100万平方フィートに及ぶ「Gigasat」製造施設を建設中です。

イーロン・マスクのSpaceXが100万基の太陽光発電衛星データセンターの打ち上げを計画 - GIGAZINE


半期報告書では衝突回避の取り組みについても詳しく報告されています。SpaceXは衝突確率が1000万分の3を超えた場合に機動を行うという、業界標準とされる1万分の1という基準よりも約100倍厳格な閾(いき)値を採用しています。この基準のもとで、第1世代衛星は報告期間中に6万5137回、第2世代衛星は14万2015回の推進機動を実施したとのこと。これは1機あたりに換算すると年間でそれぞれ約36回、約46回の機動を行った計算になります。

報告書はまた、衛星の軌道離脱に失敗した事例についても触れています。第1世代では「STARLINK-34343」と「STARLINK-36253」の2基でハードウェア故障が疑われる不具合が発生し、原因となった部品を特定して今後の設計から除外する対応が取られました。第2世代でも同様の理由による故障が2件報告されており、いずれも将来の設計変更で対応するとされています。


SpaceXは報告書の中で、他の衛星運用事業者に対しても同様の透明性ある情報開示を求めています。同社は自社だけの取り組みでは長期的な宇宙の持続可能性を維持できないとした上で、米国外で免許を取得しながら米国内でサービスを提供する事業者を含め、すべての運用者が衛星の状態を公開すべきだと主張しています。

・関連記事
Starlinkの人工衛星は毎日1~2基ずつ地球に落下してきている - GIGAZINE

SpaceXのStarlink衛星が1万基を突破 - GIGAZINE

気候変動で地球の大気圏が縮小中、このままでは人工衛星の運用ができなくなるとの研究結果 - GIGAZINE

スペースデブリの増加を食い止めなければ将来的に宇宙旅行などが不可能になると欧州宇宙機関が報告 - GIGAZINE

StarlinkのIPアドレスによるジオロケーション問題、Starlinkの位置情報の不確実性とは - GIGAZINE

in ハードウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article SpaceX destroyed 260 Starlink satellites….