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アンチチートツールを搭載した人気ゲーム「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII」で誤BANされるプレイヤーが大量発生している


オンライン対戦ゲームで遊んでいると、不正な手段を用いて勝つチートプレイヤーとマッチングすることがあります。チートプレイヤーの存在はゲームから公平性を奪い、正当なプレイヤーのやる気を失わせるため、開発企業や運営企業もアンチチートツールをゲームに導入していますが、このアンチチートツールによる誤検出で、チート行為をしていないにもかかわらずアカウントをBANされてしまってゲームをプレイできなくなる人が続出していると、元Microsoftの技術者であるマイク・スワンソン氏が問題提起しています。

Mike Swanson's Blog • Activision’s Faulty Anti-Cheat Software
https://blog.mikeswanson.com/post/702753924034297856/activisions-faulty-anti-cheat-software

スワンソン氏が批判しているのは、2022年に発売されたActivionの人気FPS「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアII(CoD MW2)」です。このゲームには「RICOCHET Anti-Cheat」と呼ばれるアンチチートシステムが搭載されており、カーネルレベルで動作してチートツールの検出を行います。RIOCHETによってチートが検出された場合、Activision Blizzardのゲームを遊ぶのに必要なBattle.netのアカウントがBANされてしまうため、オンラインプレイだけではなく、シングルプレイモードを含めたゲームそのもののプレイが禁止されることとなります。

しかし、中にはチートツールを使っていないのにもかかわらずチートプレイヤーだとRicochet Anti-Cheatに認識され、アカウントがBANされてしまったプレイヤーも多くいます。スワンソン氏自身も、オンライン対戦ゲームを一切プレイしておらず、シングルプレイモードしか遊んでいないにもかかわらず、ある日突然BANされてしまったとのこと。

海外の掲示板サイト・Redditには、PC版のCoD MW2を起動すると「DEV ERROR 292」「DEV ERROR 11642」などのエラー画面、あるいは「ファイルが破損しました」というメッセージウィンドウが表示され、ゲームがクラッシュし、次の日にBattle.netを起動すると「アカウントがBANされました」というメッセージが表示されたという報告があります。


この誤BANに対して異議申し立てを行っても、自動返信botによる定型文が返ってくるだけで、問題は解決しないとのこと。


オンラインコミュニケーションツールのDiscordには、「CoD MW2で誤BANされた」と訴える人が集まるチャンネル「COD False Ban Class Action Lawsuit」が創設されており、連邦取引委員会と消費者団体のBetter Business Bureauに報告書を提出しています。Activision Blizzard側でもこの問題を認識しているそうで、サポートスタッフは「BANはイライラさせるものであり、時には理由もなくActivision BlizzardによってBANされることがあると理解しています。また、同じ件に関して複数の苦情が寄せられています」とコメントしていますが、問題の解決には至っていません。

あるユーザーは、Better Business Bureauを通じてクレームを入れたところ、Activision Blizzardから「あなたのケースを調査したところ、あなたのアカウントが禁止されたことが確認されました。禁止措置の詳細については、ゲームの整合性と安全性を維持するために公開されません。執行チームはアカウントに対してこのような措置を取る前に徹底的な調査を行うため、当社の見解が変わることはありません。ご了承ください」という返答が返ってきたそうです。


スワンソン氏は、ゲームの頻繁なクラッシュがRicochet Anti-Cheatによって「プレイヤーによる意図的な操作」と勘違いされ、不正扱いされているのではないかと推測しており、Ricochet Anti-Cheat側に何らかの問題がある可能性を示唆しています。また、MSI AfterburnerやNVIDIA GeForce ExperienceといったGPU関連のソフト、あるいはDiscordなどのプログラムを誤検出している可能性も指摘しました。

スワンソン氏は、Activision Blizzardの開発者側に自分のPCにリモートで接続してこの問題をデバッグすることを提案しましたが、応答はなかったとのこと。スワンソン氏は「もし、これだけのことをしてもなお、私がBANされて当然のチーターであるとお考えなら、そうでないことを納得させるために私ができることはおそらく何もありませんし、同じようなことが皆さんに起こらないことを心から願っています。Activision Blizzardが、一連の誤BANを本当に起こっている問題だと認識し、適切に対処・修正してくれることを期待しています」と述べています。

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in ソフトウェア,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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