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「どんなゲームでも使えるAIチートツール」が「Call of Duty」シリーズ発売元の要請で開発中止


機械学習を利用してどんなゲームでも照準を自動調整してくれるチートツールが開発されたと話題になりましたが、人気FPS「Call of Duty」シリーズの発売元で知られるアクティビジョンの要請によって開発が中止となりました。チートツールのウェブサイトで、開発者のUSER 101氏は「アクティビジョンのゲームを悪用するために使用される可能性のあるソフトウェアを開発したり、ソフトウェアへのアクセスを提供したりすることは今後ありません。私の意図は決して違法なことをしないことでした」と述べています。

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Auto-aim cheatmaker halts development at アクティビジョン’s request | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2021/07/auto-aim-cheat-maker-halts-development-at-activisions-request/

問題となったチートツールは、ありとあらゆるFPSゲームでオートエイムを可能にするというもの。このチートツールは、「キャプチャカードで画面に映る映像を取り込み、機械学習アルゴリズムで解析し、敵キャラクターの位置を割り出して必要な操作を入力する」という方法で動作するため、PCだけではなくPlayStationやXboxなどの家庭用ゲーム機にも対応するという点が特徴。

実際にどんなチートツールなのかについては、以下の記事で詳しくまとめられています。

あらゆるゲームでオートエイムを可能にする検出困難なチートツールが開発されてしまう、なんと家庭用ゲーム機にも対応 - GIGAZINE


このチートツールのデモンストレーションは、人気FPS「Call of Duty」シリーズのゲームを使って行われていました。しかし、それによって「Call of Duty」シリーズの発売元であるアクティビジョンから著作権侵害の通告があり、ムービーはすべて非公開あるいは削除されました。また、チートツールの開発グループ「User Vision」のYouTubeアカウントやDiscordチャンネルも閉鎖してしまったとのこと。

さらに、User Visionの公式サイトも完全に閉鎖され、メンバーで開発者のUSER 101氏のメッセージが掲載されているのみ。USER 101氏は「ムービーで紹介されていたオートエイム機能は、ソフトウェアの公開バージョンには搭載されていません」「この種の技術には、ウェブカメラで自分を映すことで、手足を使わずに操作することも可能になります」と釈明しながらも、「チートツールには潜在的な悪影響があるため、私がこれ以上開発を行うことはありません」と述べ、チートツールの開発を中止すると宣言しました。


アクティビジョンはチートツールを配布する業者に対して厳しく対処することで知られています。過去にもアクティビジョンは「Call of Duty:Modern Warfare」などのチートツールを開発・販売していた業者に対して法的措置を取っており、業者はチートツールの開発と販売を中止した上で「Call of Duty」シリーズの全プレイヤーに向けて謝罪をしています。

チートツールメーカーがアクティビジョンからの法的措置を受けCall of Dutyの全ユーザーに謝罪&チートツールの販売を停止 - GIGAZINE


また、ライアットゲームズEpic GamesUbisoftなどもアクティビジョンと同様に、チートツールの開発者に対してツールの開発中止・販売停止を求める訴訟をそれぞれ起こしています。それでもチートツールが日々開発されて出回っており、完全にイタチごっことなっています。

なお、問題となったチートツールによるオートエイムは「アンチチートツールだと検知できない」と宣伝されていましたが、実際は技術的に対策可能だそうです。ライアットゲームズの人気タクティカルFPS「Valorant」のアンチチート担当を務めるフィリップ・コスキナス氏は「結局のところ、入力のエミュレートという方向性は新しいものではなく、ライアットゲームズのアンチチートツール『Riot Vanguard』でも認識できます」と語っています。

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in ソフトウェア,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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