意外過ぎる理由でマクドナルドに敗北したA&Wレストランが新たに打ち出した施策とは?


1919年に創立したアメリカのファストフードチェーン「A&Wレストラン」は、日本では沖縄県にしか店舗がありませんが、アメリカとインドネシアを中心に16の国と地域で1200店舗以上を展開しています。そんなA&Wレストランがマクドナルドに敗北した過去をもとに、メニューを一新したと報じられています。

The Truth About A&W's Third-Pound Burger and the Major Math Mix-Up | A&W Restaurants
https://awrestaurants.com/blog/aw-third-pound-burger-fractions


A&W Turns its 'Worst Marketing Fail' Into a New Burger | QSR magazine
https://www.qsrmagazine.com/news/aw-turns-its-worst-marketing-fail-new-burger

アメリカにおけるマクドナルドの人気商品の1つが、クォーターパウンダーです。バーガーパティの調理前の重量が4分の1(クォーター)ポンド=約113グラムあることが名前の由来となっており、2017年まで日本のマクドナルドでも提供されていました。

by Cookie M

1980年代にA&Wレストランは、ライバルであるマクドナルドのクォーターパウンダーに対抗するため、「サードパウンダー」を新メニューに投下しました。サードパウンダーはバーガーパティの調理前の重量が3分の1ポンド、すなわち約151グラムあり、マクドナルドのクォーターパウンダーよりもボリュームがある点が売りでした。

A&Wレストランはサードパウンダーをマクドナルドのクォーターパウンダーと同価格で提供し、テレビやラジオでCMをがんがん流してアピールしましたが、サードパウンダーは全然売れなかったとのこと。当時A&Wレストランの経営者だったアルフレッド・タウブマン氏は、価格が同じであるにもかかわらずサードパウンダーが大敗を喫した理由がわからず、市場調査会社に調査を依頼しました。

その結果、驚くべきことが判明しました。調査の参加者の多くが、ハンバーガーの価格と重量について、「なぜ4分の1ポンドの肉と同じ値段を、3分の1ポンドに支払わなければならないのか?」と疑問を持っていたのです。実は参加者の大多数が「3分の1が4分の1よりも大きい」という分数の大小を理解していなかったというわけです。


タウブマン氏は自身の著書で、「調査結果から、マーケティングや販売情報を通じてお客様に送信するメッセージは、私たちが思っているよりもわかりづらく説得力がないことがあるという教訓を得ました」とコメントしています。

そして2021年10月、A&Wレストランは30年以上前の苦い思い出を払しょくするべく、サードパウンダーの商品名を変更すると発表しました。

以下がA&Wレストランの公開した発表ムービー。

The A&W 3/9 lb. Burger | A&W Restaurants - YouTube


マスコットのGreat Root Bear、通称ルーティくんが、紙に大量の計算をしています。


黒板には「A&Wレストランのサードパウンダー敗北!」と報じる新聞記事。


机の上にある電卓には「0.3333333」と表示されています。


計算に行き詰まり、紙をくしゃくしゃに丸めて放り投げるルーティくん。


しかし、何かアイデアをひらめいた模様。


そのアイデアとは、「3分の1」ではなく「9分の3」と表記することでした。つまり、サードパウンダー改め、スリーナインスパウンダー。9分の3であれば、4分の1と比べて分母も分子も大きいので、算数ができなくても一目で4分の1より大きいことが理解できるというわけです。


なお。A&Wレストランの公式Twitterアカウントは「スリーナインスパウンダーは在庫がなくなるまで注文可能です。もし売り切れている場合は、追加料金なしでツーシックス(6分の2)パウンダーを特別に作ることができます」とコメントしています。

The 3/9 lb. Burger is available now, while supplies last. If sold out, a 2/6 lb. Burger can be specially made at no extra charge. https://t.co/haJt2SqngF

— A&W Restaurants (@awrestaurants)

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in 動画,   , Posted by log1i_yk

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