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中国が火星探査用ヘリコプターをNASAに続いて独自に開発している


NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」と共に火星に着陸した小型ヘリコプター「インジェニュイティ」が、2021年4月19日に人類史上初となる「地球以外の惑星での動力飛行」に成功しました。このインジェニュイティに似た火星探査用ヘリコプターを、中国も開発しています。

空间科学国家实验室培育专项3个课题通过验收----国家空间科学中心
http://nssc.ac.cn/xwdt2015/zhxw2015/202109/t20210901_6179180.html


China’s Mars Helicopter to Support Future Rover Exploration - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/china-mars-helicopter-rover-exploration


China is developing its own Mars helicopter - SpaceNews
https://spacenews.com/china-is-developing-its-own-mars-helicopter/

火星には地球よりもはるかに薄いものの、大気が存在します。そこで、NASAは探査用小型ヘリコプターの開発を2018年に発表。この「インジェニュイティ」という名前の小型ヘリコプターは火星探査車「パーサヴィアランス」に搭載された状態で火星に向かい、2021年4月19日に火星での初飛行に成功しました。

NASAの火星ヘリコプターが飛行に成功、人類史上初の快挙 - GIGAZINE


火星探査を含めて宇宙開発が最も進んでいるアメリカを追い抜こうと、宇宙開発に積極的に力を入れている国の1つが中国です。例えば、2020年12月には旧ソビエト連邦のルナ24号以来44年ぶりとなる月の石回収任務を達成しています。

中国の無人月面探査船「嫦娥5号」による着陸時の映像&超鮮明な月面写真が公開される - GIGAZINE


2021年6月には中国の火星探査機「祝融号」が火星に到達。着陸時の映像や火星の風の音などが公開されました。

中国の火星探査ローバー「祝融号」が降下・着陸時に撮影した映像が公開される - GIGAZINE


そして2021年8月、北京市科学技術委員会が主催する学術会議の中で中国科学院(CAS)傘下の国立宇宙科学センター(NSSC)が火星探査用ヘリコプターの試作品を発表しました。以下の画像の一番上に写っているのが、問題の試作品です。


基本的な構造はインジェニュイティと同じで、二重構造で逆回転するプロペラが基本的な推力となっています。中国の小型ヘリコプターの本体には小型分光計が搭載されており、空中から火星地表のスペクトル解析を行うことを目的としています。

火星で飛び立つ小型ヘリコプターには、もちろん非常に低い大気圧の中でプロペラ飛行ができるだけではなく、極端な温度変化や砂嵐などの過酷な環境内でも問題なく動作できることが求められます。NSSCは「火星探査の目標をクリアするためには、小型ヘリコプターの設計寿命は火星環境下で少なくとも数カ月、あるいは1年以上でなければならない」と述べました。

NSCCは「ここから5~6年は研究を重ね、技術的な問題を克服し、次の火星探査ミッションには火星にドローンを持っていくことを可能にしたいと考えています」とコメントしています。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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