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探査用ドローンを火星へ打ち上げる試みをNASAが発表、試作機ムービーも公開中


アメリカ航空宇宙局(NASA)は2018年5月11日、2020年に打ち上げ予定の火星探査機・マーズ2020と一緒に、探査用のドローン「Mars Helicopter」を打ち上げることを発表しました。地球以外の惑星でドローンを飛ばすのは世界初となります。

Mars Helicopter to Fly on NASA’s Next Red Planet Rover Mission | NASA
https://www.nasa.gov/press-release/mars-helicopter-to-fly-on-nasa-s-next-red-planet-rover-mission


NASAが2020年の打ち上げを目標としているマーズ2020は「火星に生命がいた痕跡を探す」「火星地下にある岩石と土壌のサンプルを採集する」「火星の大気から酸素を製造する」という3つの実験を行う探査機で、2020年7月~8月に打ち上げが予定されています。今回発表されたMars Helicopterは4年の歳月をかけて開発され、このマーズ2020と一緒に火星へ向けて打ち上げられるとのことです。

Mars Helicopterがどういったドローンなのかは、NASAが公開している以下のムービーで見ることができます。

NASA Mars Helicopter Technology Demonstration - YouTube


Mars Helicopterは探査機のマーズ2020のボディにとりつけられて火星へ運ばれます。


Mars Helicopterは重量約4ポンド(約1.8kg)で、胴体はソフトボールぐらいの大きさとのこと。着陸用に4本の細い脚がついていて、2枚羽のプロペラを2基搭載しています。Mars Helicopterには、リチウムイオン電池を充電する太陽電池や、マイナス100度に達するほど寒い火星の夜にも動作するためのヒート機構などが内蔵されています。


Mars Helicopterの二重反転式ローターは、地球上のヘリコプターのおよそ7~8倍ほどである3000rpmという回転数で、上下の羽が互いに逆回転します。これは地球のおよそ75%ほどしかない、火星の薄い大気の中で安定して飛ぶため。火星に到着してから最初の30日は飛行テストが行われるとのこと。


Mars Helicopterに課せられている役目は、探査機のために地形のデータ収集を行うことです。Mars Helicopterの飛行できる高度は最大約4万フィート(約12km)となっていて、マーズ2020がたどり着けないような場所でも上空から火星の複雑な地形をカメラで捉えることが可能です。


撮影が終わると着陸し、無線通信で探査機へ情報が送られます。


Mars Helicopterは既に試作機が完成していて、火星の大気と大気圧を再現した気密室の中で飛行実験が行われています。


Mars Helicopterの試作機はかなり安定した飛行を見せていて、飛んでいる途中に姿勢がぶれてしまうといったこともありません。


4本の脚をバネのようにしならせ、ショックを吸収させながらMars Helicopterはしっかりと着地。


NASAの管理官であるジム・ブリデンスティン氏は「NASAは世界で初めての、地球以外の惑星でドローンを飛ばすという試みに誇りを持っています。火星でドローンを飛ばすというアイデアはスリリングです」とコメントしています。

マーズ2020とMars Helicopterはアメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からアトラスVロケットによって2020年7月~8月に打ち上げられ、2021年2月に火星へ到着する予定となっています。

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