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NASAの火星探索機「パーサヴィアランス」から無人ヘリコプター「インジェニュイティ」が分離、地球外惑星での初飛行に向けて準備が進む


2021年2月19日にNASAの火星探査機「パーサヴィアランス」が無人ヘリコプター「インジェニュイティ」と共に火星に着陸し、探査を始めています。さらに2021年4月4日には、インジェニュイティが「人類史上初の地球外惑星での動力飛行」の実現に向け、パーサヴィアランスから分離しました。

Mars Helicopter - NASA Mars
https://mars.nasa.gov/technology/helicopter/

It's Cold on Mars - NASA Mars
https://mars.nasa.gov/technology/helicopter/status/288/its-cold-on-mars/

インジェニュイティは重力が地球の3分の1、大気圧が地球の約1%という火星の環境でも飛行できるように開発された無人ヘリコプターです。火星への着陸直後のインジェニュイティの機能や目的に関する詳細は、以下の記事で確認できます。

「人類史上初めての地球以外の惑星での動力飛行」に向けて火星ヘリコプター「インジェニュイティ」が着々と準備中 - GIGAZINE


NASAは、インジェニュイティがパーサヴィアランスから分離する瞬間を記録した写真を公開しています。以下は、2021年3月21日にインジェニュイティの保護カバーを取り外し、火星の地表へ落下させた様子。


その後、2021年3月29日にはインジェニュイティが収納部分から開放され、垂直な姿勢になりました。


2021年3月30日には、インジェニュイティに搭載された4本の足が全て展開され、火星の地表に降り立つ準備が整いました。


そして2021年4月4日にはパーサヴィアランスとは完全別行動することとなったインジェニュイティ。


NASAのジェット推進研究所(JPL)の公式Twitterアカウントは、「火星ヘリコプターの着陸が確認されました。パーサヴィアランスの4億7100万kmに及ぶ旅の後、火星の地表まで10cmの高さから落とされました」と喜びの声を投稿。さらに、「次のマイルストーンは夜を越すことです」と述べ、インジェニュイティが過酷な火星の環境に耐えれれることに期待を寄せています。

#MarsHelicopter touchdown confirmed! Its 293 million mile (471 million km) journey aboard @NASAPersevere ended with the final drop of 4 inches (10 cm) from the rover's belly to the surface of Mars today. Next milestone? Survive the night. https://t.co/TNCdXWcKWE pic.twitter.com/XaBiSNebua

— NASA JPL (@NASAJPL)


NASAによると、火星の気温はマイナス90度まで下がることがあるとのこと。低温環境下では電子機器が期待通りに動作しない可能性があるため、インジェニュイティには電子機器を温めるためのヒーターとヒーターに電力を供給するバッテリーが搭載されています。このバッテリーはパーサヴィアランスから分離する前に100%充電されたとのこと。また、分離後は太陽光発電によって電力を供給し、電子機器を最適な温度に保ち続ける予定です。

インジェニュイティは2021年4月11日に火星での初飛行に臨み、2021年4月12日に最初の飛行データが地球に届く予定となっています。

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in ハードウェア,   乗り物, Posted by log1o_hf

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