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「iPhone 13」シリーズ4機種のベンチマーク徹底レビュー、小型モデルが強さを見せる意外な結果が明らかに


2021年9月24日にAppleから登場した「iPhone 13」「iPhone 13 mini」「iPhone 13 Pro」「iPhone 13 Pro Max」は、いずれも150億近くのトランジスタを備えた「A15 Bionicチップ」をSoCとして搭載しており、現行のiPhoneとしては最高峰のスペックを誇っています。そこで、鉄板ベンチマークソフトを使って、最新iPhone4モデルの処理能力を徹底的に比較してみたところ、同じ「A15 Bionicチップ」でも違いが現れるなど意外な結果が出ました。

iPhone 13とiPhone 13 mini - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/iphone-13/

iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Max - Apple(日本)
https://www.apple.com/jp/iphone-13-pro/

この記事では、iPhone 13シリーズのベンチマーク結果を、ベンチマークアプリの「Geekbench 5」で検証していきます。各モデルの外観の違いは、以下の記事を参照してください。

「iPhone 13/iPhone 13 mini/iPhone 13 Pro/iPhone 13 Pro Max」まとめてフォトレビュー、新色の魅力を徹底的に撮りまくってみた - GIGAZINE


◆iPhone 13とiPhone 13 mini
iPhone 13シリーズはいずれもSoCとして6コアCPUのA15 Bionicチップを搭載していますが、「iPhone 13とiPhone 13 mini」はGPUが4コア、「iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Max」はGPUが5コアで、メモリもそれぞれ4GBと6GBと総合性能では差が設けられているとの事前情報があります。そこで、まずはiPhone 13とiPhone 13 miniとで各ベンチマークを比較してみました。なお、テストはそれぞれ2回ずつ行い、スコアの数字が大きい結果を採用するという方法をとっています。

iPhone 13のCPU性能をテストした結果が以下。シングルコアのスコアは「1720」で、マルチコアは「4644」でした。


シングルコアのベンチマーク結果は、先代iPhoneを抑えてトップクラスのスコア。


マルチコアのスコアでも同様の結果となりました。


続いて、GPUをテストしてみた結果、スコアは「10863」でした。


CPU性能と同様、タブレットであるiPadを除けば歴代トップの成績で、最新世代の強さが確かめられた格好です。


次に、iPhone 13 miniのベンチマークをテスト。結果はシングルコアが「1730」でマルチコアが「4689」でした。


GPUのスコアは「10725」です。


iPhone 13とiPhone 13 miniのスコアの比較が以下。誤差レベルではあるものの、シングルコア・マルチコアともにiPhone 13(iPhone14,5)よりiPhone 13 mini(iPhone14,4)の方がスコアが高いという結果になりました。なお、iPhone 13 miniのメモリサイズは「3.61GB」でiPhone 13のメモリサイズが「3.60GB」だったので、両モデルのメモリが最大4GBという事前情報がベンチマーク結果からも確認できました。


一方、GPUの結果ではiPhone 13に軍配が上がりました。


◆iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Max
続いて、iPhone 13やiPhone 13 miniよりメモリサイズやGPU性能が一回りアップグレードされているiPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxのベンチマークテストを行っていきます。

iPhone 13 ProのCPUのベンチマーク結果が以下。シングルコアのスコアは「1731」でマルチコアは「4866」でした。


続いて、GPUをテストしてみた結果が以下。スコアは「14461」と圧巻の性能です。


次に、iPhone 13シリーズで最も本体サイズの大きいiPhone 13 Pro MaxのCPU性能を見ていきます。シングルコアは「1726」で、マルチコアは「4855」でした。


GPUのスコアは「14419」でした。


iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxのスコアを比較した結果が以下。ここでも、本体サイズが小さいiPhone 13 Pro(iPhone14,2)のスコアの方が、iPhone 13 Pro Max(iPhone14,3)をごくわずかに上回りました。なお、RAMの容量はiPhone 13 Proが「5.56GB」で、iPhone 13 Pro Maxが「5.53GB」でした。


GPUの比較でも、若干ながらiPhone 13 Proの方が高い成績を示しています。


◆Geekbench 5によるベンチマーク結果まとめ
今回のベンチマーク結果を表にまとめたのが以下。マルチコアやGPUの性能では、メモリサイズが大きくGPUのコア数も多い「iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Max」が「iPhone 13とiPhone 13 mini」を大きく上回るという順当な結果が得られました。一方、「iPhone 13とiPhone 13 mini」「iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Max」でそれぞれ見比べてみると、本体サイズが小さいモデルの方が誤差レベルながら一部の性能で上回るなど、やや意外な点もありました。

 iPhone 13 miniiPhone 13iPhone 13 ProiPhone 13 Pro Max
シングルコア1730172017311726
マルチコア4689464448664855
GPU10725108631446114419
メモリ3.61 GB3.60 GB5.56 GB5.53 GB


以上の結果から、iPhone 13シリーズは性能面で先代iPhoneから大きく進化した「iPhone 13」、小柄なのに大型モデルに引けを取らないスペックの「iPhone 13 mini」、iPhone 13と同じ大きさでありながらパワフルなグラフィック性能と余裕のあるメモリ容量を誇る「iPhone 13 Pro」、圧倒的なディスプレイサイズの「iPhone 13 Pro Max」で住み分けられていると言えそうです。

続く記事では、さらにiPhone 12シリーズとiPhone 13シリーズ合計8モデルの外見やベンチマークを比較して、iPhone 13がどのくらい進化しているのかを確かめていく予定です。

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア, Posted by log1l_ks

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