Androidのチップ不足により中国とアメリカでiPhone 13の販売数が伸びる可能性

2021年9月15日に発表されたiPhone 13/iPhone 13 miniおよびiPhone 13 Pro/iPhone 13 Pro Maxについて、中国およびアメリカでは好調な販売が予想されています。

Strong iPhone 13 sales expected in China and the US as Android manufacturers face chip shortages - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2021/09/16/strong-iphone-13-sales-expected/

Apple’s initial iPhone 13 pre-orders in China surpass last year’s as market offers fewer premium handsets amid Huawei’s decline | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/big-tech/article/3149025/apples-initial-iphone-13-pre-orders-china-surpass-last-years-market

サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国ではiPhone 13シリーズがiPhone 12シリーズよりも300～800元(約5000～1万4000円)も安価に販売されます。

また、中国の大手ECサイトであるJD.com上にあるApple公式のオンラインストアでは、2021年9月16日(木)の時点でiPhone 13シリーズの予約注文数が200万件を超えているそうです。なお、1年前に発売されたiPhone 12シリーズの予約注文数は150万件だったそうで、発表からわずか3日でこの数字を上回ったこととなります。

iPhone 13シリーズの予約注文数が好調な要因のひとつとして挙げられているのが、中国で人気のHuaweiがiPhone 13シリーズと同等の魅力的なハイエンドスマートフォンを提供できないという点です。これにより中国国内で販売されるスマートフォンで、iPhone 13の競合となるものがほとんど存在しない状況に陥っているとサウスチャイナ・モーニング・ポストは分析しています。

また、アリババグループの運営する中国最大のオンラインショッピングモールであるTmallは、2021年9月17日(金)からiPhone 13シリーズの予約注文を開始するため、同製品の予約注文数は今後さらに増える可能性が示唆されています。

市場調査企業・Counterpoint ResearchのシニアアナリストであるEthan Qi氏も、「5000元(約8万5000円)の価格帯を超えるiPhone 13シリーズの脅威となるスマートフォンは市場に存在しません」「古いHuaweiのMateシリーズほどハイスペックな製品もありません」と述べ、高価格・ハイスペックなスマートフォンが中国市場では不足していると指摘しました。

2021年7月、Huaweiは同社の主力製品であるP50とP50 Proを発売しました。しかし、Huaweiはアメリカの貿易制裁を受けているため、これらの主力製品で5Gのサポートを実現できていません。なお、Huaweiは2019年第3四半期以降、中国におけるスマートフォン出荷台数ベースの市場シェアを落とし続けており、直近の2021年第1四半期には15％となっています。

これに加え、アメリカでもiPhone 13シリーズの販売が好調になるとする調査結果が発表されています。調査企業のWave7 Researchが発表した「スマートフォン販売店舗の営業担当者37人を対象にした調査」によると、調査対象者の70％(26人)が2021年8月時点でスマートフォンの在庫不足を報告しているそうです。

Wave7 Researchのジェフ・ムーア社長は、「スマートフォン市場では特にSamsungやその他のAndroidメーカーがiPhoneよりも深刻な在庫不足に陥っており、これがホリデーシーズンまで続くと予想しています」と語っており、新型コロナウイルスのパンデミックによる半導体不足がiPhone 13の販売を後押しする可能性を示唆しています。