iPhone 13のSoC「A15 Bionic」のGPU性能が明らかに、13と13 ProのGPU性能差もハッキリ

iPhoneではシリーズごとに異なるSoCを搭載していますが、例えばiPhone 12シリーズではすべて同じSoCのA14 Bionicを搭載しています。しかし、iPhone 13シリーズでは初めてiPhone 13/iPhone 13 miniとiPhone 13 Pro/iPhone 13 Pro Maxで搭載されているA15 Bionicの構成が異なることが明らかになっています。iPhone 13シリーズが発表されたAppleの新製品発表イベントでは、A15 Bionicについて「iPhone 13の場合はGPUが4コア」「iPhone 13 Proの場合はGPUが5コア」とモデルごとの構成の違いを簡単に説明していたのですが、ベンチマークアプリにiPhone 13シリーズのものと思しきベンチマーク結果が登録されたことで、実際にパフォーマンスにどの程度違いが生じてくるのかが明らかになりました。

Additional Benchmarks Reveal A15 Bionic Performance Improvements in iPhone 13 and iPhone 13 Pro - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/09/15/a15-geekbench-cpu-gpu/

New iPad Mini Has Downclocked A15 Chip Compared to iPhone 13 - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/09/16/ipad-mini-downclocked-a15-chip/

ベンチマークソフトのGeekbenchに、iPhone 13シリーズのものと思しきベンチマークスコアが登録されていると報告されています。CPUのベンチマークスコアは前シリーズのiPhone 12と比べてシングルコア性能が約10％増、マルチコア性能が約20％増となっていたため、「それほど大きな性能アップを果たしていないのでは」と指摘されていました。

これに続く形で、新しく発見されたのがGPU性能を測る指標となるMetalスコアです。なお、iPhone 13シリーズは発売前のタイミングであるからか、Geekbench上では「iPhone 14」と登録されています。このiPhone 13のものと思しきMetalスコアは「10608」となっており、A14 Bionicを搭載するiPhone 12のMetalスコアよりも約15％高いスコアを記録しています。

さらに、iPhone 13 Proのものと思しきMetalスコアも登録されており、そのスコアはなんと「14216」とiPhone 13のスコアよりもかなり高い数字をたたき出しています。GPUのコア数がiPhone 13では4コア、iPhone 13 Proでは5コアと異なるため、これがスコアの開きに大きく寄与していることは明らかです。

なお、Geekbenchに登録されているベンチマークスコアによると、iPhone 13シリーズのA15 BionicのCPU動作周波数は「3.2GHz」です。これに対して、CPUの動作周波数が「2.93GHz」の未確認のiPadのベンチマークも登録されているため、これは新しいiPad miniのベンチマークスコアではないかとみられています。iPad miniはiPhone 13シリーズと同じくA15 Bionicを採用しているため、「iPad miniはCPUの動作周波数がダウンクロックされている」とApple関連メディアのMacRumorsは報じています。なお、iPad miniに搭載されているA15 Bionicは、iPhone 13 Proと同じGPUが5コアのものになるとのこと。つまり、A15 BionicにはCPU性能が高くGPU性能が低いiPhone 13用のもの、CPU性能とGPU性能の両方が高いiPhone 13 Pro用のもの、CPU性能は低いがGPU性能は高いiPad mini用のものという3種類の構成があるわけです。

その他、Xcode13ベータに含まれる文字列から、2021年モデルのiPad miniはメモリが4GBであるのに対して、2021年モデルのiPadはメモリが3GBであることが明らかになっており、さらにiPad miniは5Gをサポートしているものの、ミリ波には対応していないとMacRumorsは報じています。