Microsoftがオフィス再開を無期限延期、新型コロナデルタ株の感染拡大を受けて
Microsoftが2021年9月9日に、10月4日を予定していたオフィスの完全な再開を無期限に延期すると発表しました。同社はオフィス再開を見送ったのは、新型コロナウイルスのデルタ株の流行が原因だと説明しています。
Microsoft and LinkedIn share latest data and innovation for hybrid work - The Official Microsoft Blog
https://blogs.microsoft.com/blog/2021/09/09/microsoft-and-linkedin-share-latest-data-and-innovation-for-hybrid-work/
To Thrive in Hybrid Work, Support Flexibility in Work Styles
https://www.microsoft.com/en-us/worklab/work-trend-index/support-flexibility-in-work-styles
Microsoft gives up predicting when its US offices will fully reopen - The Verge
https://www.theverge.com/2021/9/9/22664284/microsoft-office-reopening-plans-us
Microsoftは3月22日、同月の29日からオフィスを限定的に再開し、オフィス勤務とリモートワークを組み合わせる「ハイブリッドワークプレイス」を導入することを発表しました。Microsoftは3月の再開を、完全なリモートワークから完全なオフィス勤務に至るまでを6段階に分けた中の「ステージ4」に当たるものだと位置づけていました。
Microsoftが本社の封鎖を解除すると発表、リモートとオフィス勤務を選べる「ハイブリッドワークプレイス」も導入 - GIGAZINE
その後Microsoftは、当初は7月を予定していたステージ6の完全な再開の時期を「早ければ9月7日」に延期。8月に入ってさらに1カ月延期し、「早ければ10月4日」としていました。
そして、Microsoftのモダンワーク担当コーポレート・バイス・プレジデントであるジャレッド・スパタロ氏は9月9日に公式ブログを更新し、10月に計画していたオフィスの完全再開を見送るとともに、新しい再開予定日を設定しないことを発表しました。
スタパロ氏はオフィス再開の再延期について、「デルタ株が拡大しているため、多くの人が再開計画の調整を余儀なくされており、これが新たな常態であることを改めて痛感しています。そこで、新型コロナウイルスに関連する不確実性を考慮し、Microsoftの本社およびアメリカ国内の事業所の再開を10月4日から延期することにしました。新しい日程は定めず、公衆衛生に関する指針に基づき、安全に事業所を再開できるようになった時点で再開する予定です」と説明しています。
またスタパロ氏は、これまで実施してきたハイブリッドワークにより従業員に生じた意識の変化を受けて、働き方の見直しを進めていることを明かしました。
以下は、Microsoftが行った従業員の意識調査の結果をまとめたグラフで、黄色の棒グラフが「リモートワークをする理由」、青色の棒グラフが「対面での協働をする理由」を表しています。この調査により、「ワークライフバランス」「仕事への集中」「通勤」などの観点からリモートワークを希望する従業員が多いことや、「ネットワークのつながり」「同僚らとのコラボレーション」「社会的相互作用」「オフィスの利便性」などを理由に対面での仕事を重視する従業員が多いことなどが分かりました。
また、Microsoft傘下のビジネス特化型SNSであるLinkedInが、人事管理システムを手がけるGlintとともに行った調査では、労働者の87%は「職場が再開しても少なくとも半分はリモートで仕事をしたいと考えている」ということが分かりました。
こうした調査結果に対し、Microsoftのサティア・ナデラCEOは「従業員の大多数は、より柔軟なリモートワークの選択肢が必要であると述べていますが、パンデミック後を見据えた対面でのコラボレーションも望んでいます。これは『ハイブリッドワークのパラドックス』です」と述べて、リモートワークとオフィスでの仕事の両立が求められているとの認識を示しました。
またスタパロ氏によると、上記のような意識の変化により会社と従業員の関係にも変化が生じたことを、LinkedInでは「Great Reshuffle(大改造)」と呼んでいるとのこと。スタパロ氏はこの「ハイブリッドワークのパラドックス」と「大改造」という2つの事柄を手がかりに、新しい働き方について模索していく予定としています。
・関連記事
Microsoftがリモートワーク導入後の変化を分析した結果判明したこととは? - GIGAZINE
Microsoftが本社の封鎖を解除すると発表、リモートとオフィス勤務を選べる「ハイブリッドワークプレイス」も導入 - GIGAZINE
Microsoftがリモートワーク対応の新社内システム「Viva」を発表 - GIGAZINE
新型コロナウイルスは働き方や学び方を永久に変えてしまったというMicrosoftの見解、「もう元には戻れない」 - GIGAZINE
リモートワークを続けるためなら人々は「賃金カットもやむなし」と考えているとの調査結果 - GIGAZINE
・関連コンテンツ