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「新型コロナのワクチンを打つとチンパンジーになる」というデマ拡散を試みたアカウントをFacebookが削除


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンに関するデマや誤情報の拡散が問題視される中、ロシアの広告企業が「アストラゼネカ製ワクチンを接種するとチンパンジーになる」というデマを、「猿の惑星」のコラージュ画像を使って拡散しようと試みていたことが判明しました。Facebookはこの調査結果を受けて、広告企業に関連するFacebookやInstagramのアカウントを削除したと報告しています。

July 2021 Coordinated Inauthentic Behavior Report - About Facebook
https://about.fb.com/news/2021/08/july-2021-coordinated-inauthentic-behavior-report/


July-2021-CIB-Report.pdf
(PDFファイル)https://about.fb.com/wp-content/uploads/2021/08/July-2021-CIB-Report.pdf

Facebook removes Russian network that targeted influencers to peddle anti-vax messages | Reuters
https://www.reuters.com/technology/facebook-removes-russian-network-that-targeted-influencers-peddle-anti-vax-2021-08-10/

Russian Trolls Spread Wild Lie That COVID Vax Turns People Into Chimps
https://www.thedailybeast.com/russian-trolls-spread-wild-lie-covid-vax-turns-people-into-chimps?scrolla=5eb6d68b7fedc32c19ef33b4

Facebookのレポートによると、イギリスで登録された広告企業・AdNowの子会社である「Fazze」という広告企業が、FacebookやInstagramで反ワクチンのデマを拡散しようと試みていたとのこと。Fazzeは主にロシアで事業を展開していましたが、反ワクチンキャンペーンの標的となったのはインドやラテンアメリカ、そして少数のアメリカのユーザーだったそうです。


Fazzeはまず、誤解を招く記事をRedditやMediumといったフォーラムに掲載したり、Change.orgで偽の請願書を作成したりして、デマの下地を構築することから始めていました。その後、これらの記事や請願にリンクしたデマをFacebookやInstagramで拡散しようと試みたそうで、Facebookの調査員は一連のキャンペーンを「disinformation laundromat(偽情報のコインランドリー)」と呼んでいます。

また、FazzeはFacebookやInstagramでデマを拡散する際、「猿の惑星」の画像を使ったミームを作成していたことも判明しています。Facebookのレポートで紹介された以下の投稿には、サルが人間を殴打して「ウォルター、迷わずこっちへ来い!アストラゼネカのワクチンは安全だ!昨日、おれ達も自分自身にワクチンを打ったからな……」と言う画像が含まれています。


別の投稿には「このワクチンはアストラゼネカが所有するチンパンジーの遺伝子に基づいています」というキャプションと共に、「OK、次はお前がアストラゼネカのワクチンを打つ番だ」とサルが話す画像が添付されていました。これらの投稿は、いずれも「アストラゼネカ製ワクチンが接種した人間をチンパンジーに変える」という主張に基づいたデマです。


Fazzeの反ワクチンキャンペーンは2020年後半に始まり、猿の惑星の画像を使ったデマは2020年11~12月にFacebookやInstagramへ投稿されたとのこと。しかし、このデマはインターネット上でほとんど拡散しなかったそうで、Facebookのグローバル情報運用脅威インテリジェンス部門のチーフを務めるBen Nimmo氏は、一連のキャンペーンはずさんなものだったと指摘しています。

当時はFazzeの活動に注目が集まることはありませんでしたが、2021年5月に活動を再開したことで注目を集めました。FazzeはYouTubeやInstagram、TikTokのインフルエンサーに接触し、「ハッカーがアストラゼネカをハッキングして入手した内部文書から、ファイザー製のワクチンを接種した人の死亡率はアストラゼネカ製ワクチンを接種した人の3倍に上ることが判明した」というウソの情報を広めるように依頼したと報じられています。

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今回の調査結果を受けて、FacebookはFazzeに関連する65のFacebookアカウントと243のInstagramアカウントを削除したとのことです。

なお、Facebookはレポートの中でFazzeに関連したアカウント以外にも、ミャンマー軍に関連する79のFacebookアカウント、13のFacebookページ、8のFacebookグループ、19のInstagramアカウントも削除したと述べています。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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