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あの「モノポリー」の元ネタとなった「ランドローズ・ゲーム」とは?


サイコロを振って土地を購入しながら不動産を増やし、どんどん資金を増やしていくすごろく型の対戦ボードゲーム「モノポリー」は世界中で人気があります。そんなモノポリーはオリジナルで考案されたものではなく、20世紀初頭に考案された「ランドローズ・ゲーム」というゲームが下地になっています。

Game Rules - The Landlord's Game - Economic Game Company
https://landlordsgame.info/games/lg-1906/lg-1906_egc-rules.html


The Landlord's Game - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Landlord's_Game


モノポリーがどういう経緯で生まれて進化していったのかについては、以下の記事を読めばよくわかります。

世界的人気のボードゲーム「モノポリー」はどうやって生まれたのか? - GIGAZINE


モノポリーの原型となったのが、アメリカの女性ゲームデザイナーであるエリザベス・マギー氏が考案した「ランドローズ・ゲーム」でした。

名前の由来になっている「Landlord」とは英語で「家主」を意味する言葉で、ランドローズ・ゲームは家主が家賃から収入を得る経済構造をゲーム化したものです。

1904年にマギー氏がランドローズ・ゲームの特許を取得した際に提出したボード図案はこんな感じ。四角のボードを取り囲むようにマス目が並んでいるのは、現代のモノポリーとかなり似ています。土地には売値と賃料の2つが書かれており、土地を購入して不動産を買うモノポリーと違って、土地を借りることも可能になっています。


マギー氏はアメリカの政治経済学者であるヘンリー・ジョージが提唱した「ジョージ主義」の「土地は私的所有が可能である以前に、人類全体の共有財産である」という考えに共感してランドローズ・ゲームを設計しており、その思想は「土地や不動産を所有していると地価税が徴収される」というルールに現れています。

ランドローズ・ゲームの目的は「できるだけ多くの富を獲得すること」であり、ゲーム終了時に現金や不動産を最も多く持っているプレイヤーが勝者となります。「ボードを一周するとお金がもらえる」「刑務所のマスがある」「所有者がいない土地や鉄道は土地代を支払えば購入できる」「他のプレイヤーが所有するマスに止まったら決まっている家賃を支払わなければならない」というモノポリーおなじみのルールは、すでにランドローズ・ゲームで採用されています。


ランドローズ・ゲームは1904年にマギー氏が特許を取得しました。また、1906年1924年と、ルールを改変する度に新しく特許を申請しています。

しかし、20世紀当初は権利意識が薄かったためか、ランドローズ・ゲームの亜種がいくつも発売されます。その中の1つである「ファイナンス」というゲームを実業家のチャールズ・ダロウがさらに改良を加え、丸いテーブルにマスを書き、アメリカ・デラウェア州の地名を使った「モノポリー」の原型をデザインしました。


1935年におもちゃ会社のパーカー・ブラザーズがモノポリーの権利を買収。その後、パーカー・ブラザーズは、マギー氏が1924年に取得した「ランドローズ・ゲーム」の特許も買い上げています。

なお、1970年代にモノポリーのパロディ製品が発売された時にパーカー・ブラザーズが起こした裁判の中で「モノポリーの起源は誰にあるのか?」という論争になり、パーカー・ブラザーズが購入した特許は有効なのかという点が検証されました。どういう経緯で裁判が起こり、どういう結果に至ったのかは以下の記事にまとめられています。

世界中に愛好家がいるモノポリーのルーツを巡る泥沼劇とは? - GIGAZINE

by Lewis Minor

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in ゲーム, Posted by log1i_yk

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