レビュー

不正行為・チートを推奨するも捕まると本当に手錠をかけられるモノポリー「Monopoly Game:Cheaters Edition」を遊んでみました


モノポリー」は、すごろくの要領でサイコロを振ってコマを動かして、土地や鉄道を購入して資産を稼ぐ世界的人気を誇る人気ボードゲームです。モノポリーのゲーム中では紙幣やカードが何度もやりとりされますが、プレイヤーの約半数がモノポリーで不正行為を働いたことがあると判明し、問題になっています。そこで、モノポリーを製造・販売するハズブローから、あえてゲーム中に不正行為を働くよう積極的に促す「Monopoly Game: Cheaters Edition」が登場。購入して、実際に編集部で「Monopoly Game: Cheaters Edition」を遊んでみました。

Monopoly Game: Cheaters Edition | Monopoly


「Monopoly Game:Cheaters Edition」のパッケージはこんな感じ。


パッケージに開けられた窓からは、プラスチック製の手錠と刑務所から脱走しようとするミスターモノポリーのイラストが見えます。窓の下には「Get Caught, Get Cuffed!(捕まったら手錠をかけられる!)」と書かれています。


パッケージの中に入っていたのは、説明書・ボード・紙幣・カード2種・ホテルのトークン(駒)・手錠・カード置き場


最も気になる手錠を取り出したところ。黄色いプラスチックの板には脱獄するミスターモノポリーのイラストが描かれていて、鎖でおもちゃの手錠がつながれています。プラスチック製ですが、「捕まった」という演出には一役買います。


手錠のケースには一緒にサイコロとプレイヤー用の駒が入っていました。プレイ人数は最大6人までとなっています。


3種類のカードのうち、Comunity Chest(共同基金)カードとチャンスカードは従来のモノポリーでもおなじみのもの。「Cheaters Edition」ではさらにCheating(イカサマ)カードが存在します。


ボードはこんな感じ。


中央にはイカサマカードを配置するためのスペースがあります。


土地の権利書はこんな感じ。地区によって色分けされているのは従来のモノポリーと同じですが、Cheaters Editionでは家やホテルを複数建設することができず、ホテルを1つだけ建築することができるのみとなっています。そのため、従来のモノポリーと比べると、Cheaters Editionでは不動産の管理が非常にシンプルで簡単になっています。


ボードに置くホテルのトークン


紙幣は10モノポリードル・20モノポリードル・50モノポリードル・100モノポリードル・500モノポリードルの5種類。


紙幣・余ったイカサマカード・ホテルのトークンは黒い「バンクトレイ」に並べます。従来のモノポリーではバンカー(銀行係)と呼ばれるプレイヤーが紙幣や抵当に入った不動産を管理しますが、この「Cheaters Edition」ではイカサマ推奨ということもあり、バンクトレイの管理は手番のプレイヤーが交代で担当することになります。


各プレイヤーはバンクトレイから10モノポリードル3枚・20モノポリードル1枚・50モノポリードル1枚・100モノポリードル4枚・500モノポリードル2枚の合計1500モノポリードルを所持金としてゲットします。説明書には「銀行係はいませんが、ゲームを始めるにあたってなるべく正直に所持金をそろえましょう」と書かれていて、既にこの段階から「こっそり多めに所持金をゲットする」というイカサマが想定されている模様。


ゲームそのものは従来のモノポリーとあまり変わりません。サイコロを振って駒を進め、土地のマスに止まったら権利書を購入することができますが、もし既に他人が所有している土地のマスに止まった場合はレンタル料を支払わなければなりません。


従来のモノポリーと「Cheaters Edition」が大きく異なっているのは、正方形型のボード1辺に1つある「鉄道」です。従来のモノポリーでは「鉄道」は他の土地と同様に権利書を購入してレンタル料を徴収するマスでしたが、「Cheaters Edition」では「鉄道のマスに止まると次の鉄道のマスまで強制ワープする」というものになっていて、権利書が存在しません。また、「Cheaters Edition」のボードには水道や電力などの「公共会社」のマスがありません。


「刑務所に入れ」のマスに止まったり、1ターンにぞろ目を3回連続で出したり、チャンスカード・共同基金カードで「刑務所へ行く」というカードを引いたりすることで、刑務所に入れられてしまうのは従来のモノポリーと一緒。さらに「Cheaters Edition」では、不正行為がばれてしまうと刑務所へ送られてしまう場合があります。


刑務所に送られると、手錠を片腕につけられます。プレイ中に手錠をかけられると、動きが制限される上にかなり屈辱的で、精神的ダメージは従来のモノポリーよりも明らかにアップしています。


保釈金として50モノポリードルを支払うか、サイコロを振ってゾロ目を出せば、刑務所から釈放されます。以下の画像は「金を払えば出してくれるのでしょう」と50ドルを差し出して手錠を外してもらう編集部員の姿。


ボードの中央にはイカサマカードを5枚配置。例えば以下の画像では、上段3枚が「銀行からお金をくすねる」「他のプレイヤーが受け取るべきレンタル料をかすめとる」「他のプレイヤーのお金を盗む」となっていて、下段2枚が「他人が持っているか抵当に入っている土地の権利書をこっそり自分のものと交換する」「GOマスを通り抜けて200ドル受け取る時にこっそり300ドル受け取る」というもの。


イカサマを遂行したターンの次手番のプレイヤーがサイコロを振るまでに、他のプレイヤーからイカサマを指摘されなければOK。「実はイカサマをやりました」とカミングアウトをすれば報酬をゲットできます。以下の画像のケースは、GOマスを通り抜けた時に銀行から100ドル札を2枚取るべきところを、こっそり3枚取ろうとしたところ。しかし、いかにも怪しいそぶりで慌てて手元に配置したため、一瞬でばれてしまい、指摘されてしまいました。


該当するイカサマカード「Extra Allowance(臨時手当)」をひっくり返します。成功した場合は「よくやった!余った分のお金は君のものだ!」と書かれていますが、イカサマがばれてしまった場合は「全てのお金を元に戻して、他プレイヤー全員に50モノポリードルを支払う」とあります。もちろん、イカサマにはリスクが常につきまとうというわけです。ただし、イカサマを指摘しても、相手が無実を証明できた場合は100ドルを相手に支払う必要があるため、イカサマの指摘もノーリスクというわけではありません。


中には「もしイカサマをして捕まったら、このカードを使ってイカサマのペナルティを無効化できる。そして誰か一人を刑務所に送ることができる」というチャンスカードがありました。このチャンスカードを運よく引いて使えば、堂々とイカサマをしながらペナルティを回避するという荒技も可能。


全員がイカサマをしてOKというルールであるため、プレイ中は全員が他のプレイヤーに対して「イカサマをするんじゃないか」と、相手の手元を疑いの目でめちゃくちゃ監視しがち。そのため、イカサマをするためには、自分がイカサマをする瞬間から全員の目をそらす必要があります。以下の画像で映っているのは、せいぜい数枚しか100モノポリードル紙幣を持っていなかった編集部員の所持金。この編集部員が自分の手番でサイコロを振ったとき、2個のうち1個が床に落下。


床に落ちたサイコロを拾うためにみんなが机の下に気を取られ、サイコロが発見した時には100モノポリードルの札束がめちゃくちゃ分厚くなっていましたが、この段階では誰も気付くことはありませんでした。


しかし、次の手番のプレイヤーがサイコロを振る前に「銀行のお金がめちゃくちゃ減ってる!」と叫んで、イカサマが発覚。


100モノポリードルの札束をチェックすると、100モノポリードルの紙幣だけではなく、500モノポリードル札を何枚も盗むという大胆な犯行だったことが判明しました。


これは「Bank Heist(銀行強盗)」という不正行為に当たります。


ペナルティには「恥を知れ!各プレイヤーに100モノポリードルを支払う。そして刑務所へ行く」とあったので……


銀行から厚かましいほどの金を抜き取った編集部員は、罰金を徴収された上で逮捕されました。


イカサマカードは、成功・失敗に関わらず、指摘されると場の中央から取り除かれ、新しいイカサマカードが補充されます。


また、別の編集部員は、刑務所送りとなって手錠をかけられていたにも関わらず、しれっと手首から手錠を外していましたが、速攻でバレて指摘されてしまいました。


刑務所にいるのに勝手に手錠を外すのは「Escape Artist(脱獄の名人)」という不正行為。


脱獄を見逃さなかった編集部員に100モノポリードルを支払って……


再び手錠に拘束されることとなりました。


モノポリーの公式ルールでは「他のプレイヤーがすべて破産して一人だけ生き残った状態」にゲームの勝敗が決まります。一方、「Cheaters Edition」では、「全ての物件が購入されたらそのターンでゲーム終了」となっているため、従来のモノポリーよりも終了条件は厳しくありませんが、それでも1プレイにおよそ2時間ほどかかりました。手持ちの所持金と所有している権利書の価格を合わせて、最も高いプレイヤーが勝利となります。


「Cheaters Edition」はモノポリーに比べてルールが簡略化され、より遊びやすくなっていると感じました。真面目に勝利を目指すよりも、悪乗りしながら遊ぶ方が「イカサマをこっそりやったり、相手のイカサマを見抜いたりする」という肝の部分を楽しめるので、ある程度気の置けない仲で遊ぶにはぴったりのゲームといえます。一緒にプレイした編集部員からは、「積極的にイカサマを狙っていくだけではなく、お手つき覚悟で他プレイヤーのイカサマをどんどん指摘することでゲームが盛り上がるかも」という意見もありました。さらに、狭めのテーブルでごちゃっとした環境で遊ぶとイカサマがしやすい環境も作れるので、よりゲームが派手になります。

ただし、イカサマを意識しすぎると、探り合いと警戒にリソースを割くために、モノポリー自体を楽しむというよりも全く別のゲームとして遊んでいる印象が強くなっていました。特に「お金をごまかす」系のイカサマは無実を証明するのが非常に難しく、指摘したもの勝ちになってしまいがちなので、イカサマだけではなく、イカサマと指摘された時に無実を証明できるような身構えを考えることが重要となります。


また、モノポリーそのものを遊んだことがないと、交渉や土地の権利書の管理など、モノポリーの基本的なルールに気を取られて、肝心のイカサマまでは気が回らなくなってしまう部分があるため、モノポリー初心者が遊ぶ場合は、イカサマ部分を無視してプレイするのもアリです。

「Monopoly Game: Cheaters Edition」は、記事作成時点で以下のAmazon.co.jpから税込6191円で購入可能です。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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