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100億円の広告費をドブに捨てたという真実を知ったUberの話


ウェブサイトやアプリなどに広告を表示するデジタル広告の世界はどんどん複雑化しており、そのサプライチェーンが不透明であり「ほとんど詐欺的」だと指摘されることもあります。配車サービスや出前サービスで有名なUberも、「支払っている広告費の3分の2を削減してもパフォーマンスが変わらなかった」という事態に陥ったことがあると、デジタルマーケティングにおけるブランド保護の専門家であるNandini Jammi氏がまとめています。

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Jammi氏は2021年1月4日のTwitter投稿で、「テクノロジー業界で誰も語らない話に、Uberが自社の広告費の3分の2にあたる1億ドル(約100億円)を詐欺で失ったというものがあります」とつづっています。


Jammi氏はUberの元マーケティング責任者であるKevin Frisch氏とLinkedIn経由で会話する機会があったそうで、その際にUberがアメリカのオンラインニュースサイトであるブライトバート・ニュース・ネットワークをブロックするようになった逸話について聞いたとのこと。

2017年、「Uberはトランプ大統領の移民政策に対するデモを解散させようとしている」と指摘されたことをきっかけに、Uberのアカウント削除を促す「#DeleteUber」という運動が起こりました。ブライトバートなどの保守的な報道機関から広告を削除するよう企業を説得する人権団体Sleeping Giantsの元リーダーであるJammi氏は、「#DeleteUber」に賛同して反Uberの運動を行っていたため、当時のFrisch氏にとっては嫌な存在であり「バスにひかれて欲しい」とまで思われていたそうです。

Uberはその後、ブライトバートを広告掲載先から排除しましたが、なぜかブライバートにUberの広告は掲載され続けました。この点について、Sleeping GiantsがUberのCEOであるTravis Kalanick氏のTwitterアカウントに対して直接メッセージを送ったところ、Kalanick氏はFrisch氏に対して「なんてことだ、まだ処理していないのか?」と問いかけました。


全てのベンダーに対しブライトバートをブロックするように指示していたFrisch氏はこの事態を不審に思い調べたところ、ベンダーのうち1つが広告ブロックを行っていなかったことが判明。すぐにブロックさせたのですが、ブロック時点で総広告費1億5000万ドル(約150億円)のうち10%が消費されていたとのこと。


Uberの広告の場合、クリックされた時に広告費が発生する形だったため、ミスではあるものの、これだけの広告費が消費されたということは新規顧客が増えているはずだとFrisch氏は考えましたが、実際には1500万ドル(15億円)を費やしても全くパフォーマンスに変化はないことが判明しました。

「一体1500万ドルがどこに消えたのだ」とFrisch氏が監査を行ったところ、ログからユーザーが広告をクリックして2秒後にはUberへのログインを行うといった不審な動きが観測されました。人間のユーザーであればこのような動きを行わないことから、ベンダーがボットを使って広告クリックを行い、広告費を消費していたことが疑われました。真実を確かめるべくFrisch氏が広告費の3分の2を停止するという実験を行ったところ、なんとパフォーマンスは変わらず。1億ドル以上の広告費がボットによって無駄に消費されていたことが判明したのです。

近年はアドネットワークDSP経由のターゲティング広告を利用している企業が多く存在しますが、「実際には支払っている広告費の3分の2を削減してもパフォーマンスが変わらなかった」というUberのような事例もあります。Uberは実現した成長・獲得ゴールのために費やすコストを10分の1にできたはずとのことで、その後、Frisch氏は広告費を5000万ドル(約50億円)にまで縮小し、広告キャンペーンの形も大きく変えたとJammi氏はつづっています。

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in ウェブアプリ, Posted by logq_fa

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