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「古代のファーストフード店」が約2000年前に火山の噴火で埋もれたポンペイ遺跡から発掘される

by Luigi Spina/AFP Photo/Pompeii Press Office

西暦79年に火山の大噴火でまるごと飲み込まれたイタリアの古代都市・ポンペイで、「古代のファストフード店」がほぼ完全に発掘されました。きれいに装飾されたカウンターや調理台が原型をとどめているほか、さまざまな食材の痕跡も発見されており、当時の食習慣を知る貴重な手がかりになるとのことです。

Archaeologists uncover ancient street food shop in Pompeii | Reuters
https://www.reuters.com/article/idUSKBN2900D3

Pompeii excavations reveal fast-food preferences of ancient city's residents | MPR News
https://www.mprnews.org/story/2020/12/26/pompeii-excavations-reveal-fastfood-preferences-of-ancient-citys-residents

Incredibly Preserved Fast Food Stall Reveals What Romans Snacked on in Pompeii
https://www.sciencealert.com/a-2-000-year-old-fast-food-stall-has-been-unearthed-from-the-ashes-of-pompeii


今回発掘されたのは「テルモポリウム」と呼ばれる温かい食物を提供する古代ローマの飲食店であり、近代で言うファストフード店のようなもの。2019年にはきれいな模様で装飾されたカウンターの一部が発掘されており、その後の作業で店の全容が明らかになったとのこと。

発掘されたレルモポリウムの様子は、以下のムービーを見るとよくわかります。

Ancient fast-food counter unearthed in Pompeii - YouTube


画面中央にあるのが、フレスコ画で装飾されたテルモポリウムのカウンターです。


およそ2000年前に火山灰で埋もれたテルモポリウムは、ほぼ完全な形をとどめています。


ポンペイ考古学公園の管理人であるマッシモ・オサンナ氏は、「これは驚くべき発見です」とコメント。


馬にまたがるニンフのフラスコ画は、このテルモポリウムが面していた広場にある噴水に捧げるために描かれた可能性があるとのこと。


ほぼ完全なテルモポリウムがイタリアで発掘されるのはこれが初めてだそうで、当時の庶民が何を食べていたのかを知る貴重な手がかりになると研究チームは考えています。


カウンターに描かれたニワトリやイヌの骨も付近で見つかっているとのこと。


温かい食べ物を入れるための深い土器もカウンターに備えられており、ブタ・ヤギ・魚・アヒル・カタツムリの痕跡が見つかっています。


いくつかの食材はパエリアのように一緒に調理されていたほか、ワイン容器の底ではワインの風味と色をよくするために加えられていたソラマメも見つかったそうです。


また、テルモポリウムの内部からは50歳前後の男性とみられる人の骨も見つかっており、オサンナ氏は「おそらく最年長の男が噴火の初期段階で踏みとどまり、ここで死んだ可能性があります」と述べています。

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in メモ,   動画, Posted by log1h_ik

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