古代都市ポンペイで岩に潰された男性の骨が見つかる
かつてイタリア・ナポリの近郊に存在したと言われる古代都市がポンペイです。ヴェスビオ火山の噴火で生じた火砕流で地中に埋もれたことで知られるポンペイですが、新しく「噴火のタイミングで逃げようとして落ちてきた巨大な岩石に押しつぶされた犠牲者」の骨が発見されています。
Pompeii: New find shows man crushed trying to flee eruption
https://phys.org/news/2018-05-pompeii-eruption.html
Man decapitated while fleeing volcano’s destruction of Pompeii | The Art Newspaper
https://www.theartnewspaper.com/news/man-decapitated-while-fleeing-volcano-s-eruption-discovered-in-pompeii
ポンペイを調査する考古学者たちが集うコミュニティーが、これまでにない発見として「噴火により崩れた岩石に潰されるように地面にめり込んだ骨」を見つけたことを報告しています。
#Pompeii The thorax was crushed by a block of stone, the body hurled back by the force of the pyroclastic flow, in a desperate attempt to flee the fury of the eruption. The first victim which emerges in the site of the new excavations of Regio V, does so in this dramatic position pic.twitter.com/qHZCS0W0Zd
— Pompeii Sites (@pompeii_sites) 2018年5月29日
発見された骨は35歳ほどの男性のものと推測されており、落下してきた岩により胸を潰されたことがわかります。現地を調査した考古学者によると、男性の頭部の骨は見つかっていない模様。また、調査から男性は脛骨に感染症を患っていたことが明らかになっており、感染症の影響で歩くのが困難で、ヴェスビオ火山が噴火した際に逃げ場を失い岩石に押しつぶされてしまったものと考えられています。調査に携わっている考古学者のマッシモ・オサナ氏は、これまでにない「例外的な発見だ」と、新しく見つかった男性の骨について語っています。
以下の写真は人類学者のヴァレリア・アモレッティ氏が、ポンペイで暮らしていたと思われる男性の骨をブラシで発掘している様子です。
地面に埋まっている上半身には巨大な岩が刺さるようにめり込んでいます。
骨が見つかったのは現地時間の2018年5月29日。
男性は手に銀貨の入った小さな袋を握りしめていたそうです。
骨が見つかったのは「Regio 5」と呼ばれる発掘現場。「Regio 5」の敷地面積は66ヘクタールほどで、まだ3分の1で発掘作業が行われていない状況とのことなので、さらなる発見が期待されます。
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