メモ

新聞社が4億円以上を受け取りGoogleやUberにとって有利な記事を書くような契約をしていたことが明らかに


イギリスの元財務大臣であるジョージ・オズボーン氏が編集長を務める、ロンドンの夕刊紙「イブニング・スタンダード」がGoogle・Uberなどを含む大手企業6社に、総額300万ポンド(約4億3000万円)で企業に有利な内容となる記事を書く契約を交わして「編集の独立権」を売り渡していたと、openDemocracyが報じています。

George Osborne’s London Evening Standard sells its editorial independence to Uber, Google and others – for £3 million | openDemocracy
https://www.opendemocracy.net/uk/james-cusick/george-osborne-s-london-evening-standard-promises-positive-news-coverage-to-uber-goo


イブニング・スタンダードは90万近い発行部数を誇り、ロンドンを中心に広く読まれる夕刊紙です。openDemocracyによると、このプロジェクトはLondon 2020と呼ばれ、編集長のジョージ・オズボーン氏主導で進められていたとのこと。ジョージ・オズボーン氏は、キャメロン政権下で財務大臣を務めていたことで知られていて、2017年に議員を辞職し、イブニング・スタンダードの編集長に就任して話題となりました。

by altogetherfool

もともとイギリスの新聞では、新聞独自のスタイルに添って作成される「ネイティブ広告」が多く採用されていますが、このプロジェクトは「イブニングスタンダードに掲載されるニュースと広告を区別していた倫理的な線引きをすべて取り除き、関わりのある企業にとって好ましい報道を取り入れていく」というものです。しかし、ただでさえ見分けのつきづらい普通の記事とネイティブ広告の境界を取り除いてしまうことで、読み手側は有料のニュースと他の商業的な内容は区別できないと、openDemocracyは指摘しています。

イブニング・スタンダードに50万ポンド(約7200万円)を支払った6社の中には、自動車配車サービスを展開するUberも含まれているとopenDemocracyは報じています。Uberに5億ポンド(約720億円)相当の出資をしている資産運用会社・BlackRockは、オズボーン氏をアドバイザーとして招いています。openDemocracyは、BlackRockは、週1回のアドバイザー職のためにオズボーン氏に年65万ポンド(約9400万円)を支払っているため、Uberとイブニング・スタンダードの契約は利益相反行為であると批判しています。

by Howard Lake

また、同じく50万ポンドを支払ったGoogleは、オズボーン氏が財務大臣を務めていたキャメロン政権時と密接な関係を築いていたとかねてより批判されていました。

なお、イブニング・スタンダードの「カスタマイズされたニュースやコメントで評判を高める」という宣伝戦略に対して、スターバックス・コーヒーを含むいくつかの企業は「自分たちの宣伝戦略がある」と支払いを拒否したとのこと。openDemocracyはイブニング・スタンダードとUberとGoogleにLondon 2020プロジェクトに関するコメントを要求したそうですが、いずれからも返答はなかったそうです。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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