サイエンス

世界最古の人間の脳が沸騰して保存された状態で見つかる

By zeevveez

2006年から2011年の間に見つかった4体の骨格の中から、世界最古のものとなる約4000年前の人間の脳が発見されました。頭蓋骨内で「沸騰」されて保存されていたという過程をNew Scientistがまとめています。

閲覧注意:記事中にミイラや屍蝋化した脳の写真があります。

Human brain boiled in its skull lasted 4000 years - life - 03 October 2013 - New Scientist
http://www.newscientist.com/article/mg22029373.000-human-brain-boiled-in-its-skull-lasted-4000-years.html

通常、酵素を豊富に持っている脳組織は、死の直後から細胞破壊が急速に始まりますが、ある条件がそろうことで細胞破壊が停止することがあります。脳組織が保存されていた有名な例は、500年前にいけにえにされたインカの子どものミイラです。このミイラは気温の低いアンデス山脈の山頂で冷凍されていたため、細胞破壊が起こらずに保存されていました。


木炭のように見えるこの写真は、実際に見つかった約4000年前の人間の脳。

by Halic University Istanbul

この脳の分析を行っているトルコ・Halic UniversityのMeric Altinozさんは、「脳は木炭を多く含む堆積物の層から発見されたため、地震が起きた後、人々は火に焼かれる前にガレキとともに地中に埋められたのではないか」と推測。

Altinozさんによると、地震の後、ガレキの中で炎が燃え続けたため、地中に埋められた人々の頭蓋骨内で体液とともに脳が沸騰した結果、脳から酸素と湿度が奪われ、細胞破壊が起こりにくくなりました。最終的に地中のカリウム・マグネシウム・アルミニウムの成分と脳内の脂肪酸が反応し、屍蝋と呼ばれる状態になったため、細胞が破壊されずに脳が頭蓋骨内に保存されていたとのことです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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