Amazonが同社の検出ツールを回避してInstagramやTikTokで偽造品を販売したインフルエンサー2人や業者を訴える

Amazonが偽造品の販売を宣伝したとして、2人のインフルエンサーと11人の業者に対し、2020年11月12日に訴訟を起こしました。インフルエンサーと業者は、InstagramやTikTokアカウントを介して偽造品の販売を宣伝することで、Amazonの偽造防止ツールを回避していたとのことです。

Amazon sues influencers for allegedly marketing counterfeits
https://www.cnbc.com/2020/11/12/amazon-sues-influencers-for-allegedly-marketing-counterfeits.html

ワシントン州西地区の連邦地方裁判所に提起された訴訟で、Amazonは「インフルエンサー2人がInstagramやFacebook、TikTok、個人サイトを使って偽造品を宣伝していた」と非難しています。同時に、アメリカと中国に拠点を置く11の個人・企業に対して、「Amazonに偽造品を掲載した」と述べています。

実際にAmazon.comで公開されていた模造品の販売ページが以下。商品名には「女性向けの黒いレザーバッグ」としか書かれておらず、一見するとただ安いバッグを販売しているページ。しかし、実際にはこのページから注文すると偽ブランド品が送られてきます。

そして、以下が実際にインフルエンサーがInstagramにアップしていた偽造品の広告。ここでは明らかにグッチやディオールなどの高級ブランドが安く手に入ることがアピールされており、Amazonの販売ページにリンクされていたとのこと。2019年11月頃から、インフルエンサーと業者はの模造品の宣伝を行っていたと、Amazonは主張し、インフルエンサー2人に損害賠償を、業者には模造品の販売中止を求めています。

インフルエンサー2人は訴訟についてコメントすることを拒否し、記事作成時点ではInstagramのアカウントを非公開にしています。

2000年に立ち上げられたAmazonマーケットプレイスはAmazon以外の業者がAmazonのプラットフォームを利用して商品を販売できるとうもので、eコマースの浸透と共に年々成長の一途をたどっています。2020年第3四半期の決算では、Amazonマーケットプレイスの売上が含まれる「サードパーティ業者サービス」の売上が、前年同期比で55％増の204億3600万ドル(2兆1350億円)を記録しており、Amazonの売上を支える収入源となっています。

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しかし、最小限の品質管理が行われているだけの無法地帯と化しているAmazonマーケットプレイスでは、悪質な偽ブランド品や禁止品を販売する業者がのさばりつづけており、Amazonマーケットプレイスが莫大な収益を得ているのはこうした偽造品を売りさばく業者のおかげだという批判もあります。

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この事態に対して、Amazonは2020年6月にAmazonマーケットプレイスで偽造品を売りさばく業者を撲滅するため、「偽造品犯罪対策チーム」を新たに設置したと発表しています。

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しかし、今回のインフルエンサーと業者の手口は、Amazonマーケットプレイスではなく他のソーシャルメディアプラットフォームを利用することで、Amazonの模造品犯罪対策チームによる監視の目から逃れるというものでした。Amazonのカスタマートラストおよびパートナーサポート担当ヴァイスプレジデントであるダーメッシュ・メータ氏は「Amazonを見ても、私たちが持っているデータも、すべて問題ないように見えたかもしれません。しかし、今回の犯罪の決定的な証拠は、ソーシャルメディアサイト上で見つかりました」と語っています。