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Amazonが「プライムデーの影響なしで純利益が前年比で3倍」など2020年第3四半期決算を発表


2020年10月29日、Amazonが2020年第3四半期(7月~9月)の決算を発表しました。毎年恒例の大セールイベントであるAmazonプライムデーの影響はなかったものの、総売上は前年同期比37%増加の961億4500万ドル(約11兆円)、純利益は前年同期の3倍となる63億3100万ドル(約6700億円)を記録しています。

Amazon.com Announces Third Quarter Results | Amazon.com, Inc. - Press Room
https://press.aboutamazon.com/news-releases/news-release-details/amazoncom-announces-third-quarter-results

Amazon.com Announces Third Quarter Results | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20201029006208/en/


Amazon reports $96.1 billion in Q3 2020 revenue: AWS up 29%, subscriptions up 33%, and 'other' up 51% | VentureBeat
https://venturebeat.com/2020/10/29/amazon-earnings-q3-2020/

Amazon’s net income tripled last quarter, and it didn’t even have Prime Day to help - The Verge
https://www.theverge.com/2020/10/29/21539921/amazon-q3-2020-earnings-net-income-triple

下記の資料に示される通り、2020年第3四半期におけるAmazon全体(Consolidated)の総売上は前年同期比37%増加の961億4500万ドル、営業利益が前年同期比96%増加の61億9400万ドル(約6478億円)、純利益が前年同期比196%増加の63億3100万ドルでした。


また、そのうち北米部門は売上が593億7300万ドル(約6兆2100万円)で、営業利益は22億5200万ドル(約2360億円)。海外部門は売上が251億7100万ドル(約2兆6300億円)で、営業利益が4億700万ドル(約426億円)となっています。

2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく、7月に開催が予定されていたAmazonプライムデーは10月に延期されたため、今回の第3四半期の売上にはプライムデーによる影響は反映されていません。それでも、世界的な巣ごもり需要でeコマース事業が大きく伸びたことで、Amazonの純利益は前期の52億ドル(約5400億円)から20%増加の63億3100万ドル(約6700億円)と、史上最高額を記録しました。eコマース事業のうち、オンラインストアの売上が483億5000万ドル(約5兆520億円)、実店舗での売上が37億8800万ドル(約3960億円)、サードパーティの販売者サービスの売上が204億3600万ドル(約2兆1350億円)でした。


また、クラウドコンピューティング市場のトッププロバイダーであるAmazon Web Services(AWS)の売上は全体の約12.1%を占める116億100万ドル(約1兆2100億円)と、ついに1兆円の大台を突破。営業利益は35億3500万ドル(約3700億円)でした。Microsoft AzureやGoogle Cloudに先駆けているAWSですが、その成長率は鈍化しつつあると指摘されています。

$AMZN AWS revenue growth
- Q1 2017: 43%
- Q2 2017: 42%
- Q3 2017: 42%
- Q4 2017: 45%
- Q1 2018: 49%
- Q2 2018: 49%
- Q3 2018: 48%
- Q4 2018: 45%
- Q1 2019: 41%
- Q2 2019: 37%
- Q3 2019: 35%
- Q4 2019: 34%
- Q1 2020: 33%
- Q2 2020: 29%
- Q3 2020: 29%https://t.co/r5eFZdPWD9

— Emil Protalinski (@EPro)


そして、Amazonプライムなどの月額有料のサブスクリプションサービスの売上は、前年同期比33%増の65億7200万ドル(約6870億円)、広告事業は前年同期比51%増加の53億9800億ドル(約5640億円)でした。

声明で、ジェフ・ベゾスCEOは「2年前、私たちはAmazonの最低賃金を全米のフルタイム、パートタイム、派遣社員、季節労働者すべてに対して15ドルに引き上げ、他の大企業にも同様の措置をとるよう呼びかけました。ベスト・バイとターゲットはステップアップしており、他の大企業も15ドルへの引き上げに踏み切ることを期待しています。今が絶好のチャンスです。新入社員や第一線で働く社員を含め、業界最高水準の給与と優れたヘルスケアを提供することは、このような時代には大きな意味があり、2020年だけで40万人以上の雇用を創出したことを誇りに思っています」とコメント。実際に従業員数は2020年第2四半期では87万6800人だったのが、同年第3四半期では112万5300人と、28%増加しています。


また、10月~12月には年末商戦があり、大きな稼ぎ時となります。Amazonは2020年第4四半期の総売上が1210億ドル(約1260億円)になると見込んでいます。これは、2019年第4四半期と比較して8%の増加、あるいは2020年第3四半期から28%~38%の成長を見込んでいるとのこと。

加えて、Amazonは、「新型コロナウイルスの安全性に関連するコストで40億ドル以上を費やす」と明言していました。この40億ドルというコストを想定しても、営業利益は2019年第4四半期で39億ドル(約4100億円)に対して、2020年第4四半期では10億ドル(約1050億円)から45億ドル(約4700億円)になると予想しています。

ベゾスCEOは、「ホリデーギフトのために、これまで以上に多くのお客様が早めにお買い物をされているのを目の当たりにしていますが、これは『前例のないホリデーシーズン』の予兆の一つに過ぎません。2020年のホリデーシーズンにお客様へお届けするために準備に奔走してくれた世界中の従業員と販売パートナーの皆様に心から感謝します」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk