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偽造品の横行で批判されるAmazonが「偽造品犯罪対策チーム」を設置、法執行機関と協力し偽造品販売の撲滅を目指す

by Tim Reckmann

世界最大のオンライン通販プラットフォームであるAmazonには、以前から「欠陥品や偽造品の販売が横行している」との批判が寄せられており、正規品でない偽造品の販売業者への対応が不十分だと非難されてきました。そんなAmazonが2020年6月24日、偽造品を出品・販売する偽造品犯罪者を撲滅するため、「偽造品犯罪対策チーム」を新たに設置したことを発表しました。

Amazon establishes new Counterfeit Crimes Unit
https://blog.aboutamazon.com/company-news/amazon-establishes-new-counterfeit-crime-unit

Amazon Newsroom - Amazon、「偽造品犯罪対策チーム」を設置、偽造品犯罪者を調査・追及
https://amazon-press.jp/Top-Navi/Press-releases/Presselist/Press-release/amazon/jp/Corporate/Counterfeit-Crimes-Unit/

Amazon forms ‘Counterfeit Crimes Unit,’ under pressure to escalate fight against fake products - GeekWire
https://www.geekwire.com/2020/amazon-forms-counterfeit-crimes-unit-pressure-escalate-fight-fake-products/


Amazonの躍進を支えてきたのが、Amazon以外のサードパーティーが商品を出品して販売する「Amazonマーケットプレイス」です。このシステムによってユーザーは各地のメーカーが出品したさまざまな商品を購入可能となっていますが、Amazonマーケットプレイスで行われている品質管理は最低限のものであり、命の危険につながるような取引が禁止された商品やリコール品、偽造品などが販売されていると非難されています。

こうした不正を行うサードパーティーにAmazonは頭を悩ませていますが、その一方でAmazonがサードパーティーから莫大な収益を得ていることも事実。ジェフ・ベゾスCEOによると、Amazonの小売分野の収益の約58%はサードパーティによるものだそうで、「禁止品・リコール品・偽造品により莫大な利益を得ている」という点も批判の対象とされてきました。

Amazonはサードパーティ業者の販売する禁止品・リコール品・偽造品により莫大な利益を得ているという指摘 - GIGAZINE


そんな批判を受けてきたAmazonが2020年6月24日、新たに「偽造品犯罪対策チーム」を設置して法律およびAmazonの規約に違反する偽造品犯罪者を捜査し、犯罪者の調査および法的措置の追求を本格化すると発表しました。Amazonの偽造品犯罪対策チームは元連邦検察官や捜査官、データアナリストといったグローバルなメンバーで構成されており、アメリカ国内に限らない広範囲での偽造品撲滅を目指すとのこと。

Amazonが偽造品対策として焦点を当ててきたのは、「そもそも偽造品がプラットフォーム上に出品されることを阻止する」という取り組みです。Amazonは2019年、不正行為と戦うために5億ドル(約540億円)を投資し、8000人以上の従業員が偽造品の出品などの不正行為を阻止するために取り組んできました。これによって2019年には疑惑がある出品も含めて60億件以上の不正な出品が取り消され、250万件以上の不正なアカウントが商品を出品する前に停止されたそうです。


新たに設置された偽造品犯罪対策チームは、こうしたAmazonのシステムを巧みに回避して規約に違反した禁止品や偽造品を出品し、利益を得ている事案について調査するとのこと。偽造品犯罪対策チームはAmazon上のデータや決済プロバイダー、オープンソースの情報などを収集して不正な出品者を特定し、偽造品の出品者に対する効果的な民事訴訟や、刑事訴追を検討する法執行機関の支援などを行うと述べています。

以前からAmazonは各国のブランドオーナーや法執行機関と協力関係を築いており、新たな偽造品犯罪対策チームもこの基盤を引き継いで偽造品犯罪者の責任を追及するとのこと。2020年5月には、カナダ、中国、ドミニカ共和国、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、スペイン、アラブ首長国連邦、イギリス、アメリカの偽造品犯罪者が特定され、関係当局に照会されたそうです。

Amazonのカスタマートラスト・パートナーサポートを統括するダーメッシュ・メータ氏は、「Amazonは、すべての偽造品犯罪者に対して、偽造品販売を試みる場所や所在地にかかわらず、法の下で最大限の責任を追及する用意があることを警告します。Amazonは、これらの犯罪ネットワークの撲滅に努めており、既にこの取り組みに協力している捜査機関などの法執行機関に改めて感謝します」と述べ、刑事責任の追及は偽造品販売を阻止する最も効果的な方法の1つだと主張。各国政府に対し、偽造品犯罪者を法の下で裁く捜査手段や資金を法執行機関に提供するように要請しました。


なお、Amazonは以前から偽造品撲滅プロジェクトである「Project Zero」を実施しており、2019年初頭にアメリカやヨーロッパでスタートした後、日本でもProject Zeroの提供が開始されました。Project Zeroはブランドオーナーの知見とAmazonの高度なシステムを組み合わせ、偽造品の撲滅を図るプロジェクトであり、日本からもパナソニック、アイリスオーヤマ、任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、タカラトミーといったさまざまなメーカーが参加しているとのこと。

Project Zeroが提供する大きな機能は以下の3つ。

◆1:自動プロテクション機能
自動プロテクション機能は世界中のAmazonで出品されている数十億件の商品情報を継続的にスキャンし、偽造品の疑いがある商品を検出して削除するというもの。機械学習を使用したこのシステムにより、すでに9000万件以上の出品がユーザーに閲覧される前の段階で削除されたそうです。

◆2:メーカーによる偽造品削除ツール
Project Zeroに参加しているメーカーは、「偽造品の疑いがある商品を自らの判断でAmazon上から削除可能」というこれまでにない権限を付与され、自社ブランドを保護できるとのこと。メーカーによる削除情報は自動プロテクション機能に反映され、さらにその精度を向上させるために使用されます。

◆3:商品のシリアル化
商品のシリアル化は、Project Zeroに参加しているブランドが自社製品の製造および発送の過程で固有のシリアルコードを付与し、シリアルコードを用いてAmazon上で販売される商品の真偽を確認できるシステムです。これはオプションサービスであるものの、商品のシリアル化と自動プロテクション機能の組み合わせにより、効率的かつ高精度で偽造品を削除できるとのこと。記事作成時点で商品のシリアル化が利用できるのはアメリカ、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、イギリス、インド、カナダであり、日本では2020年後半にサービスの提供が開始される予定です。

Amazon Project Zero:偽造品対策に向けたブランド力の強化
https://brandservices.amazon.co.jp/projectzero

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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