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四足歩行ロボット「Spot」を開発したボストン・ダイナミクスCEOが今後の展望を語る

By Boston Dynamics

四足歩行で移動する遠隔操作対応のロボット「Spot」で知られるソフトバンク傘下のロボット開発企業、ボストン・ダイナミクスの最高経営責任者(CEO)であるロバート・プレイター氏が、インタビューで会社の収益性と今後のロボット開発の展望について語っています。

Boston Dynamics CEO talks profitability and the company's next robots | VentureBeat
https://venturebeat.com/2020/09/14/boston-dynamics-ceo-profitability-roadmap-next-robots/

Boston Dynamics CEO Talks Profitability and the Company's Next Robots - Slashdot
https://hardware.slashdot.org/story/20/09/14/204217/boston-dynamics-ceo-talks-profitability-and-the-companys-next-robots

ボストン・ダイナミクスのSpotはアメリカで2020年6月から7万4500ドル(約800万円)で購入可能となっているほか、2020年9月にはカナダ、ヨーロッパにも同価格で販路が拡大されています。Spotがどんなロボットかは以下の記事を見るとよくわかります。

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また、Spotの活用方法はさまざまな分野に広がっており、警察でも爆弾処理用のロボットとして試験運用が行われたほか、新型コロナウイルス感染者向けの遠隔トリアージとしても利用されています。

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プレイター氏によるとボストン・ダイナミクスは2020年までに約250台ものロボットを開発・販売しており、「ビジネスは加速している」とプレイター氏は述べています。産業用ロボットを含めた大手ロボット企業に比べれば、250台という数字は決して多くはないものの、プレイター氏は「Spotのようなこれまでにないロボットにとっては大きな成果です」と主張。「私たちのロボットは世間に浸透し、市場を確立し、人々から価値を見出され始めており、私たちがターゲットとしている複数の業界にも適応させることができています」とコメントしました。

プレイター氏によると、ボストン・ダイナミクスは2020年は野心的な目標を掲げており、第1四半期と第2四半期の目標は達成できたとのこと。「私たちは第3四半期と第4四半期も野心的な目標を掲げて取り組んでいます。2020年はおそらく目標を達成するか、超えることになるでしょう」とプレイター氏は語りました。


また、ボストン・ダイナミクスではSpotの他にもHandleやAtlasといったロボットが開発されています。プレイター氏によれば開発チームの人数が最も多いのはSpotで、約100名ほどの社員が属しているとのこと。Handleは約70名、Atrasは約20名ほどのメンバーによって開発チームが構成されているそうです。ボストン・ダイナミクスでは、ロボットのプロトタイプを作成するのに約20~30人の人員を割いており、Handleの開発チームについては「2022年にリリースするHandleのバージョンを構築しています。今後2年の間にSpotの開発チームとほぼ同じ規模に成長するでしょう」とプレイター氏は述べています。Handleがどんなロボットかは以下の記事を見るとよくわかります。

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一方、Atlasについては「Atlasは高価で複雑すぎて、少なくともまだまだ商用化を想定していません」とプレイター氏はコメント。「Atlasは、ソフトウェアとハードウェアの設計の両方において、最先端の技術を進歩させることを余儀なくされる意欲的なロボットです。そのため、私たちはまだ数台のAtlasしか製造しておらず、チームの研究開発のモチベーションを高めるためにAtlasを使用しています。人々は明らかにヒューマノイドに注目していますから、それが面白さにつながっています。Atlasは複雑なロボットなので、従来の技術にはないあらゆる自由度に対応する技術を開発しなければなりません」と続けました。

また、ボストン・ダイナミクスは市場規模を拡大するため、生産・梱包・在庫管理・輸送などといった物流向けのロボット開発に取り組んでいるとのこと。「利益を上げるためには、より成功し、市場規模を拡大しなければなりません。今のところは計画を上回っており、2023年~2024年には黒字になる見込みです」とプレイター氏は述べています。

また、今後の展望についてプレイター氏は、「私たちの課題は、軽量で移動性の高いロボットをいかにして量産するかという点です。そして、何十年にもわたって研究開発に取り組んできた経験から得た教訓を、さまざまな産業に応用していくことです。私は、Spotが成功した後はSpotの開発チームの一部を次の製品の開発に振り分けようと考えています。他にも特注のロボットを作ることができる可能性のある分野はたくさんあるので、さまざまなロボットを作ってみたいと思っています」と語っています。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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