ボストン・ダイナミクスの四足歩行ロボット「Spot」が新型コロナウイルス感染者の遠隔トリアージに活用されている
ソフトバンク傘下のロボット開発企業ボストン・ダイナミクスの四足歩行ロボット「Spot」が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疑いが持たれる患者の遠隔トリアージにすでに活用されていると発表されました。
Boston Dynamics COVID-19 Response | Boston Dynamics
https://www.bostondynamics.com/COVID-19
Boston Dynamics’ Spot robot is helping hospitals remotely treat coronavirus patients - The Verge
https://www.theverge.com/2020/4/23/21231855/boston-dynamics-spot-robot-covid-19-coronavirus-telemedicine
ボストン・ダイナミクスのSpotは、不整地でも歩行が可能で、搭載されたアームでドアなども開けられるという四足歩行ロボット。Spotは能力もさることながら、その特徴的な動きと見た目から「キモい」と話題を呼んできました。
Spotがどんなロボットなのかは、以下の記事を読むと理解できます。
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COVID-19が医療従事者にも感染してしまうという懸念から、「医療従事者とCOVID-19感染者の接触を減らす」ことができる技術に注目が集まっています。こういった状況の中、ハーバード大学医学部附属病院の1つであるブリガム・アンド・ウィメンズ病院は、1週間のうちに従業員の6分の1がCOVID-19に感染したという事態を受けて、iPadを搭載したSpotによる遠隔トリアージをスタートしました。
iPadを搭載したSpotはこんな感じ。リモートで患者の誘導を行えるだけでなく、iPadのビデオ通信によって、医師が患者の容態を見ながら問診を行うことができます。
ボストン・ダイナミクスによると、Spotを活用することによって、医療従事者の感染率を下げられるだけでなく、マスクや手袋などの個人防護具の消耗が抑えられるとのこと。
ボストン・ダイナミクスは同社のハードウェアやソフトウェアにこだわらずにCOVID-19問題の支援を行いたいという姿勢を表明しており、カナダの自走式ロボット開発企業Clearpath Roboticsと緊密に連携をしているとのこと。
現在開発中のプロジェクトは、UV-Cライトなどのウイルス粒子を除去できるテクノロジーを使って、Spotに「遠隔から病院のテントや地下鉄駅構内などの物体表面のウイルスを殺す」機能を実装することに取り組んでいるとボストン・ダイナミクスはコメント。さらに、今後の目標として、サーマルカメラを使った体温・呼吸回数計測システムや、RGBカメラを使った脈拍数計測システム、さらに何らかの方法で酸素飽和度を測定する方法を実装する予定だと述べています。
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