Twitchが配信者による性的ハラスメントについて「恒久的なアクセス禁止処分などを実施する」と発表
by Dinah888
ゲーム実況に特化した配信プラットフォームの「Twitch」では、多くの視聴者を抱える人気ゲーム配信者が女性に対して性的ハラスメントを行っていたとの報告が急増しており、大きな問題となっています。プラットフォーム上での性的ハラスメント被害を重く見たTwitchは、疑惑を調査して場合によっては法執行機関などに報告するほか、犯人のアカウントの恒久的な停止処分やポリシーの見直しなどを実施すると発表しました。
An Update to Our Community
https://blog.twitch.tv/en/2020/06/24/an-update-to-our-community/
VICE - Twitch Says It’s Investigating Allegations of Sexual Harassment Against Streamers
https://www.vice.com/en_us/article/v7g7vb/twitch-says-its-investigating-allegations-of-sexual-harassment-against-streamers
Twitch reckons with sexual assault as it begins permanently suspending streamers - The Verge
https://www.theverge.com/2020/6/25/21303185/twitch-sexual-harassment-assault-permanent-bans-streamers
2020年6月19日に、Twitch上でゲーム配信者として活動するJewels Verne氏が「ゲーム配信者のLono氏から性的ハラスメント被害を受けた」と告白して以降、複数の女性がTwitch上で受けた性的ハラスメント被害について告白しています。Verne氏が告白を行った翌日の6月20日、Lono氏は過去の悪行を認めて謝罪するムービーを公開しました。
Twitchにまん延する性的ハラスメントの存在が明らかに、具体的な対処を求めるボイコットも広がる - GIGAZINE
Twitch上での嫌がらせやハラスメントが問題視されたのは、今回が初めてではありません。2017年にはゲーム系メディアのKotakuが「Twitch上で嫌がらせやハラスメントを発見するのは非常に簡単」と報じており、2012年にもTwitchが主催するゲームトーナメントで発生したセクハラ発言が物議を醸しました。こうした問題を受けてTwitchは2018年に性的ハラスメントに関するポリシーを強化したものの、依然として多くのユーザーが性的ハラスメントの被害を受けている模様。
嫌がらせや性的ハラスメントで非難された男性配信者のチャンネル登録者数は数千人から数十万人まで幅広く、多くはTwitchパートナープログラムに加入している配信者だそうです。「Twitchからパートナープログラムの承認を受けた」という事実は、男性配信者が女性ファンや他の女性配信者を餌食にする「強力な地位」を与えているとの批判もあります。
一部のユーザーからは、成人した配信者から未成年者に対する被害も報告されています。Twitchでは13歳からアカウントを持つことができる上に、ウィスパー機能を使って特定のユーザーと1対1でやり取りをすることも可能。一部の男性配信者はウィスパー機能を使って未成年者に個人的なメッセージを送っているそうで、中には性的な発言を投げかけられるケースもあるとのこと。一方でウィスパー機能では画像のやり取りができず、メッセージのやり取りをしたくない場合はオフにすることも可能だとTwitchの広報担当者は指摘しました。
Twitchはさまざまなユーザーから性的ハラスメントの告白が行われたことを受け、6月24日に公式ブログで声明を発表。「私たちは適切な注意を保ちながらこれらの深刻な申し立てを評価し、できるだけ早く明るみになったケースについて検討しています」と述べ、調査結果に基づいてアカウントの恒久的な停止処分を開始すると発表しました。
その一方で、必ずしも全ての性的ハラスメントがTwitch上で起きるわけではなく、Twitchを通じて知り合った相手と別のプラットフォームでやり取りしたり、オフラインイベントで接触した際に問題行動を起こすというケースもあります。Twitchは「多くの場合、申し立てられた事件はTwitchのプラットフォーム外で発生したため、判断を下すにはさらに情報が必要です」と述べており、より綿密な調査を実施するために法執行機関などに事件を報告する場合があるとのこと。
また、Twitchは嫌がらせなどの問題行動に対処するためのツールを増やし、Twitchをより安全な環境にする取り組みを継続すると発表。悪意のある行為や嫌がらせに関するポリシーの検討や、攻撃的なユーザーを検出するシステムの強化、メッセージで送ることが禁止された単語リストの改善といった作業を進めていくとTwitchは述べました。
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