AppleのWWDC 2020で期待したいiPhone&iPad関連の5つの発表
Appleの年次開発者向け会議「WWDC 2020」が2020年6月23日2時から開催されます。31年の歴史上初の完全オンラインでの開催となったWWDC 2020の中で発表されることを「望む」5つの機能を、海外メディアのThe Vergeが挙げています。
Apple WWDC 2020: 5 features to hope for on the iPhone and iPad - The Verge
https://www.theverge.com/2020/6/21/21297964/apple-wwdc-2020-ios-ipados-features-home-screen-app-store-rcs-imessage-multi-user
WWDC 2020の中で発表されるものとして最も可能性が高いのは、iOS・iPadOS・watchOS・tvOS・macOSといったApple製品に採用されているOSのメジャーアップデートについてです。そして、もうひとつ期待されているのがApple初のARMプロセッサ搭載Macの登場で、これについては長らくMacにプロセッサを供給しているIntelが「Appleは2020年にMacをARMプロセッサに移行する」と予想していることから、The Vergeは「発表される可能性が高いもの」として挙げています。
これらの他に「Appleに発表してほしいもの」として、The Vergeは以下の5つを挙げており、「いくつかのものはAppleにとって必要だから発表すべきと思うものです。ただし、本当にこれら5つが発表されるとは思っていません。実際にこれらが発表されるとは思わないものの、少なくとも1つ発表されれば納得し、2つ発表されれば満足し、3つ以上発表されれば興奮することになるでしょう」と記しています。
◆1:App Storeのポリシーを変更
AppleはApp Storeで配信するアプリがあげる収益の30%を手数料として徴収しており、この高すぎる手数料に対しては多くの批判が挙がっています。HEYやSpotifyといったアプリがAppleとApp Storeの手数料について対立していますが、その他の開発者は不満を抱いているものの、Appleのエコシステムから締め出されることを恐れて声を出せずにいるとThe Vergeは指摘しています。
そのため、The VergeはAppleがApp Storeのポリシーが変更されることを期待しています。最も簡単な変更方法は30%の手数料を削減し、多くの開発者がより多くの収入を得られるようにすることです。さらに、Androidのようにサイドローディングを採用することも有効な手のひとつとして挙げています。
ただし、The VergeはAppleがWWDCの中でApp Storeのポリシーを変更することは「ないだろう」と記し、あくまでも希望のひとつとして挙げたまでとしています。
◆2:デフォルトアプリを変更可能になる
iOSやiPadOSでApple純正のアプリ以外をデフォルトアプリとして設定できるようになるというウワサが存在しており、これが実現すれば「大きなサプライズになる」とThe Verge。デフォルトアプリを変更可能となれば、例えばウェブページ上などでメールアイコンをタップすると通常はApple純正のメールアプリが起動しますが、ユーザーが指定したメールアプリ(GmailやOutlookなど)を起動できるようになります。
The Vergeはデフォルトアプリの変更はAppleが長らく反対してきたアイデアであると指摘。また、デフォルトアプリを変更できないからといってiPhoneのユーザーエクスペリエンスが台無しになるわけではないとしながら、「デフォルトアプリが変更できないということは、多くのコピー&ペーストが必要になることを意味しています」と記しました。
The Vergeはこれまでのウワサを踏まえ、デフォルトアプリが変更できるようになる可能性を「50%」と予想しています。
さらに、「私の密かな希望は、アプリ内ブラウザを禁止したり、アプリ内ブラウザにCookieを共有したりするためのシステム設定が追加されることです。そうすることで、リンクをタップしたすべてのアプリから同一のサイト飛び、再度ログインする手間がなくなります」と述べています。
◆3:ホーム画面のカスタマイズ
The Vergeは長らくiOSのホーム画面がAndroidのようにカスタムできるようになることを望んできたと記していますが、「今はそれほど熱心にホーム画面のカスタマイズを望んでいるわけではありません」と記しています。その理由は、Appleのホーム画面に追加できるウィジェットが、Androidのものよりも優れているからだそうです。
それでも、天気やカレンダーといったウィジェットをアプリアイコンが並ぶのと同じホーム画面に配置できるようになれば、「恐らくそうするでしょう」とThe Verge。さらに、「本当に欲しい機能は、ホーム画面の上部に空白を残したまま、画面下部にアプリアイコンを配置する機能です」と述べ、その理由はiPhoneが年々巨大化しており片手で操作するには億劫になりつつあるからと説明しています。
◆4:iPadでの真のマルチユーザーサポート
PCのように複数ユーザーでiPadを使用できるように、マルチユーザー機能のサポートをThe Vergeは求めています。教育向けの機能としてマルチユーザーを設定する方法は存在するものの、この機能は「一般的な消費者には関係のないもの」とThe Vergeは指摘。
iPadがマルチユーザー機能をサポートすれば、仕事でiPadを使用しているユーザーが子どもにiPadを渡しても、仕事で使用しているiMessageやメールにアクセスされることはなくなり、ひとつの家族が1台のiPadを安全に共有できるようになります。
なお、The Vergeはマルチユーザー機能がサポートされる可能性を「25%」と予想しています。
◆5:Android向けiMessageおよびiPhone向けRCS
AppleがAndroid向けにiMessageを提供することは道徳的に正しいこととThe Vergeは指摘しています。その理由はAndroidユーザーがエンドツーエンドの暗号化されたメッセージサービスを利用可能になるためです。ただし、AppleにおけるiPhoneビジネスを損なう結果につながるため、「これは絶対に起こらないでしょう」とThe Verge。
なお、MicrosoftはiMessageをWindowsでも使えるようにするためAppleと協力する準備があるとインタビューの中で語ったことがあります。
Appleのメッセージアプリ「iMessage」をWindowsでも使えるようにすることにMicrosoftは協力的 - GIGAZINE
RCSはSMSに代わる新しいグローバル標準となるため、Appleは近い将来にRCSをサポートする必要があるとして、「2020年に来なくても2021年には採用される可能性がある」とThe Vergeは指摘しています。
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