新型コロナウイルスの影響でPlayStationやOculus VRが世界最大級のゲーム開発者イベントGDCへの出展を中止に

中国の武漢市で発生し感染が拡大している新型コロナウイルスの影響で、世界最大級のゲーム開発者向けイベントである「GDC」への出展を取りやめる企業が複数現れ始めています。

An Important Update on GDC | Oculus
https://www.oculus.com/blog/an-important-update-on-gdc/

PlayStation and Oculus to Skip GDC Over Coronavirus Concerns - IGN
https://www.ign.com/articles/playstation-and-oculus-to-skip-gdc-over-coronavirus-concerns

新型コロナウイルスの影響により、PlayStationおよびOculus VRが2020年3月16日からアメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで開催予定となっている世界最大級のゲーム開発者向けイベント「GDC」への出展を取りやめると発表しました。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStationブランドは、2020年2月末に同じくアメリカで開催予定のゲーム関連大規模展覧会である「PAX East」への出展取りやめを発表したばかりです。

新型コロナウイルスの影響でPlayStationの大規模ゲームイベント「PAX East」への出展が中止に - GIGAZINE

ゲームメディアのIGNがPAX Eastへの出展取りやめについてPlayStationにコメントを求めたところ、公式から声明を発表する前に、IGN側に「PlayStationブランドのGDCへの出展取り止め」に関する声明が送られてきたそうです。

PlayStationによる声明は、「新型コロナウイルスに関する懸念が高まっているため、GDCへの参加を取りやめるという難しい決断を下しました。ウイルスにより世界での旅行制限に関する状況が日々変化しているため、出展取りやめこそが最良の選択肢だと感じています。我々はGDCに出展できないことに失望していますが、労働力の健康と安全を維持することは、我々にとって最も重要なことです。今後、再びGDCに参加できることを楽しみにしています」というもの。

同じく、GDCへの出展を見送ることとしたOculus VRは、自社ブログで「従業員や開発パートナー、GDCのコミュニティ全体におよぼす健康・安全への懸念から、FacebookのARおよびVR関連のゲームチームは今年のGDCに参加しません。GDCの出展エリアを削除し、すべての従業員に対してGDCへの参加を控えるようにとアドバイスしています」と発表しています。また、今後数週間以内にGDCパートナー会議をリモートで開催すること、そして2021年のGDCには参加する予定であることもアナウンスしました。

IGNがGDCの広報担当者にコメントを求めたところ、「GDCチームは、ゲーム開発コミュニティの健康と安全を非常に重要視しており、新型コロナウイルスに関する情報を綿密に追跡しています。アメリカ政府によって施行された厳格な検疫法および、公衆衛生局や世界保健機関、アメリカ疾病予防管理センターによるガイダンスに従い、現場レベルでの強力な対策を導入することで、GDCは(会場である)モスコーニ・センターで開催されてきた他の大規模イベントと同様の成功を収めることができると確信しています。また、GDCのコミュニティ全体のサポートに感謝し、今年参加できなかった人々を来年以降に歓迎することを楽しみにしています」という返答があり、2020年もイベントそのものは開催する予定である意向が示されました。

なお、GDCは新型コロナウイルスの影響を受けた大規模ゲームイベントとしては、台北ゲームショウ、PAX Eastに続く3つ目だとIGNは記しています。