「iOS 13.2」ではバックグラウンドのアプリが強制終了されてしまうとの声が続出
iPhoneやiPadのOSであるiOS 13やiPadOS 13の最新バージョン「13.2」のユーザーから、OSがメモリのデータを過剰に管理しすぎるせいで、アプリを切り替えると使用状況が失われてしまうという声が相次いでいます。
Complaints Mounting About iOS 13.2 Being 'More Aggressive at Killing Background Apps and Tasks' - MacRumors
https://www.macrumors.com/2019/10/31/ios-13-2-safari-refreshing-poor-ram-management/
iOS 13 is killing background apps more frequently, iPhone owners report - The Verge
https://www.theverge.com/2019/10/31/20942043/apple-ios-13-iphone-11-pro-ram-memory-management-app-background-refresh
例えば「スマートフォンのYouTubeアプリで再生中のムービーを一時停止して、Safariでサイトを見てから、もう一度YouTubeに切り替えて続きからムービーを再生する」という使い方が可能なのは、OSがアプリの使用状況やムービーのデータをメモリに保存しておいてくれるからです。しかし、Appleが2019年10月28日(日本時間では10月29日)にリリースしたiOS 13.2のユーザーからは、「アプリを切り替えるとバックグラウンドのアプリの使用状況が即座に失われてしまう」という声が挙がってします。
Apple情報専門ニュースサイトMacRumorsのフォーラムには、「iPadOSのRAM管理がひどい」というタイトルのトピックスが作成され、「Excelアプリでスプレッドシートを作成中に、10分ほどYouTubeでムービーを再生してからExcelアプリに切り替えたら、もうアプリがメモリ上から消えていました。Excelだけでなく、Safariで開いていたタブも駄目でした。4GBのメモリじゃ不足なので6GBの端末を買えばよかったということでしょうか?」とユーザーが訴えています。
また別のユーザーが作成した「iOSのメモリ管理はサイアク」というトピックスでは、「iPhone 11 ProでYouTubeのムービーを再生中に、一時停止してからiMessageを使いました。その後YouTubeに切り替えてみたら、再生中のムービーが消えていました。iPad Proでも同様で、アプリやSafariのタブはiOS 12のころよりはるかに高い頻度で再読込が発生します。同じ経験をしている人はいますか?」と投稿されていました。
Twitterでも「iPhone 7でiOS 13.2を使ってみたら、アプリがバックグラウンドになるたびに強制終了したりSafariのタブが閉じられたりして、イライラさせられます」というツイートや……
Every single app on my iPhone 7 iOS 13.2 gets killed every time I close. No backgrounding. And each tab on safari when I move to a new one. So frustrating
— Christopher Stephens (@mzunguchris) October 29, 2019
「iOS 13はこれまでより積極的にメモリを管理しているということでしょうか? YouTubeアプリを使用した直後でさえ、一時停止したままにできません」というツイートが散見されます。
Is it my imagination or is iOS 13 more aggressively managing RAM? I can’t keep YouTube suspended at all, even if it was the last used app.
— Michael Kukielka (@DetroitBORG) October 22, 2019
デザイナーでフロントエンド開発者でもあるニック・ヘーア氏は自身のブログで「私はiPhoneのカメラをよく使うので、iPhone Xでカメラを使っていると開いていたアプリが全て消えてしまうというのには慣れっこですが、iOS 13.2ではバックグラウンドタスクを強制終了するだけでなく、バックグラウンドのアプリを切り替えるたびに完全に再起動されてしまうようです。これはアプリを問わず常に発生していて、例えばSafariではタブひとつを保存することもできません。壊滅的なバグとまではいえませんが、かなりお粗末ですので、最優先で修正してほしいものです」と述べて、早急な対応を求めました。
記事作成現在のところAppleからは公式な発表はなく、この不具合の原因は不明ですが、iOSのエンジニアであるマルコ・ アーメント氏は「iPhone 11のカメラが大量にメモリを使用することに起因しているのではないか」と指摘しています。
I’ve noticed this since the first 13.2 betas, and Overcast users keep reporting it as well: background apps seem to be getting killed MUCH more aggressively than before.
— Marco Arment (@marcoarment) October 29, 2019
(Especially on the iPhone 11 if you use the camera, presumably because it needs so much RAM for processing.) https://t.co/Qscmsj1OGY
また、iOSのブラウザエンジン「WKWebView」が関係しているのではないかと指摘するツイートもあります。
I see a lot of speculation that this is about lack of RAM. I doubt it. In our app, we are seeing problem with (some) WKWebView content (ads). App is silently killed after 30s in background. Critical log line attached. pic.twitter.com/BS0HkvyRpv
— Jonas Salling (@salling) October 30, 2019
アーメント氏はこの問題に絡めて、「Appleの内部からはいつも同じ話が聞こえます。曰く『バグなんて修正している時間がない』『CEOがクック氏になってから管理者層が増えたせいで、問題が上に伝わりにくく、チームが細かく分けられすぎている』」と述べて、Appleの開発体制の問題が表面化しているのではないかとの見方を示しました。
I hear the same stories repeatedly from inside Apple:
— Marco Arment (@marcoarment) October 31, 2019
- almost no time to fix bugs
- literally zero time to fix older or non-urgent bugs
- far more layers of management since Cook
- problems don’t/can’t get communicated upward
- increased division so teams can’t coordinate https://t.co/WARP7yC7lw
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